メキシコの金融政策(9月)~ペソ相場の行方は?

2020/09/25
  1. 政策金利は0.25%引き下げの4.25%でした。インフレ率上昇で中立姿勢に転じると見込まれます。
  2. 景気回復が遅れていますが、経済活動の制限が緩和されつつあり、今後回復の鮮明化が期待されます。
  3. ペソ相場は米景気への不安などから反落していますが、利下げ打ち止め観測で底堅いと見込まれます。

インフレ率と景気を両にらみ

メキシコ銀行(以下、中銀)は9月24日に定例理事会を実施し、政策金利の翌日物金利を4.5%から4.25%に引き下げました。利下げは11会合連続です。景気回復が遅れていることに対応しました。一方、ここにきてインフレ率が上昇してきたことにも配慮し、金融緩和の余地が狭まってきたとの認識も見られ、今後は中立姿勢に転じると見込まれます。

8月のCPI(総合)は前年同月比+4.05%(コアは同+3.98%)と、インフレ目標の上限付近に達しました。一方、IMEF_PMIに見られるように、企業の景況感は最悪期からは大きく回復したものの、50の手前で伸び悩み、景気回復がそれほど進んでいない様子が見られます。メキシコは、やや遅れて新型コロナの感染拡大が始まり8月上旬が拡大ペースのピークでした。しかし、現在の感染拡大ペースは当時の半分程度にダウンしており、これから経済活動が活性化してくると期待されます。

割高感は大方解消

メキシコ政府は「新感染症危険情報(4段階に色分け〔危険な順に赤、橙、黄、緑〕)」によって経済活動の再開レベルを指導しています。現在は赤の州はなくなり、全ての州が橙もしくは黄です(9月14日以降)。

メキシコペソ(以下、ペソ)相場(対円)は、9月半ばに一時1ペソ5円を回復し、割高感が出ていたことに加え、米国景気への先行き不安でリスク回避指向が強まり下落し、現在は4.7円台です。今回の利下げで打ち止めとの見方が強まったことや、これから景気回復が進むとの期待、割高感は大方解消したとの見方から、今後は底堅く推移すると考えます。

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