ユーロ圏の8月物価・7月雇用について
2020/09/02
<投資信託>
- 8月HICP総合は前年同月比-0.2%でした。コロナ禍による景気後退の影響で約4年ぶりのマイナスです。
- 7月失業率は7.9%でした。景気後退を映し4ヵ月連続上昇です。年内は厳しい環境が続くと見込まれます。
- 市場のリスク許容度拡大から、ユーロ相場はドル安主導で上昇し、当面は底堅い展開が予想されます。
コロナ禍の影響がより鮮明化
EU統計局(Eurostat)が発表した8月のユーロ圏HICP(統合消費者物価指数)は、総合が前年同月比-0.2%となり、2016年5月以来4年3ヵ月ぶりのマイナス圏に低下しました。また、コアも同+0.4%と7月の同+1.2%から大幅に低下しました。7月が一部品目の不規則な上昇で押し上げられたため、低下幅が大きくなりました。インフレ率はコロナ禍による景気後退で低下方向です。
7月の失業率は7.9%と、4ヵ月連続の上昇とでした。失業者数が2ヵ月連続で前月比30万人を超える増加となりました。雇用慣行の違いもあって米国ほどドラスティックではないものの、リーマンショック時の景気後退局面以来の増加ペースで、厳しい環境です。インフレ率、雇用共に、景気循環に対して遅行するため、年内はまだインフレ率低迷と厳しい雇用環境が続くと見込まれます。
ユーロは底堅い反面割高感も
ユーロ相場は底堅く推移しています。8月末以降は1ユーロ1.19ドル台に上昇、2年3ヵ月ぶりのユーロ高・ドル安水準です。背景は大きく2つ、1つめは、EU(欧州連合)が復興基金で合意し、景気回復期待が膨らんだこと、2つめは、市場のリスク許容度が拡大し、コロナ禍の緊急時に大量に供給されたドル資金に対する余剰感が強まったことです。
景気先行きに対する安心感は根強く、厳しい雇用環境が今後もユーロ相場の波乱要因になるものの、影響は小さいと考えられます。むしろ、当面はドルの余剰感が先行し、為替市場全般でドル安圧力が掛かりやすく、ユーロは底堅い展開が続くと見込まれます。ただし、水準としてはユーロ圏の景気見通しが最も明るかった2017年後半とほぼ同水準であり、やや割高感も出てきました。
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