豪州の金融政策(9月)~当面の豪ドル相場は?
- 政策金利、3年金利操作目標は0.25%で据え置きでした。貸出資金供給機能が拡大、延長されました。
- 新型コロナの感染は峠を越え、雇用環境も改善の兆しが見え、景気先行き不安は後退しつつあります。
- 豪ドル相場は、景気先行き不安が和らぎつつあること、好調な商品市況を背景に底堅いと見込まれます。
一部緩和強化でさらなる景気刺激効果を期待
本日、オーストラリア(豪州)準備銀行(Reserve Bank of Australia、以下、RBA)が定例理事会を開き、政策金利のオフィシャル・キャッシュ・レート(OCR)と、3年国債利回りの誘導水準0.25%を据え置きました。一方、貸出資金の供給を目的とした期日物資金供給は、当初、貸出残高の3%を上限に9月末まででしたが、2%上乗せすると同時に2021年6月末まで延長されました。これで、低金利がより長期に維持され、景気刺激に資することが期待されます。また、国債購入も適宜実施されており、8月は100億豪ドル購入、累計では613億豪ドルとなりました。
豪州の景気は、懸念されていた新型コロナの感染拡大が峠を越え、先行き不安が和らいでいます。7月末頃は、700を超える陽性者を出す日もありましたが、現在は100余りに減少しています。雇用環境にも改善の兆しが見えます。7月の失業率は7.5%と上昇が続きましたが、雇用者数は2ヵ月連続で前月比増加し、特に、正規雇用者数が5ヵ月ぶりに前月比増加に転じました。消費マインドに影響を与える住宅価格にも、大きく鈍化する動きは今のところ見られません。
選好されやすい環境
豪ドル相場は堅調です。8月末には2019年5月以来の1豪ドル78円台を付けました。景気先行き不安の後退に加え、豪ドル相場との連動性が高い商品市況が堅調なことが背景にあると見られます。
また、新型コロナの感染が収束し始めたことが、豪ドルへの選好を強めていると見られます。市場のリスク許容度が増し、新興国や資源国に徐々に投資資金が向いていますが、当面は新型コロナの環境が先んじて改善していることで、豪ドルは底堅く推移すると期待されます。
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