豪州の金融政策(8月)~当面の豪ドル相場は?
- 政策金利、3年金利操作目標は0.25%で据え置きでした。景気不透明感から量的緩和を再開します。
- コロナの感染再拡大の影響で、景気回復が遅れるとの懸念が台頭しています。住宅市況が頭打ちです。
- 豪ドル相場は、景気回復期待とコロナ感染状況とを両にらみで、やや神経質な展開が見込まれます。
景気回復期待がややそがれ、量的緩和を一時再開
本日、オーストラリア(豪州)準備銀行(Reserve Bank of Australia、以下、RBA)が定例理事会を開き、政策金利のオフィシャル・キャッシュ・レート(OCR)と、3年国債利回りの誘導水準0.25%を据え置きました。量的金融緩和である国債、州債の購入は5月7日以降休止していましたが、明日(8月5日)購入すると表明しました。今のところ明日のみで、今後は状況次第です。また、期日物資金供給は利用枠1509億豪ドルに対し、直近では290億豪ドルに達しています。最近1ヵ月でほぼ2倍に増加しました。
豪州経済は、7月は企業景況感の改善が進んだ一方、消費者信頼感は回復が一服しています。その背景として、雇用環境と住宅市況の悪化が挙げられます。6月の失業率は7.4%と4ヵ月連続で上昇しました。非正規雇用が増加したものの、雇用不安を和らげることにはつながっていないようです。また、大都市の住宅価格指数が5月から3ヵ月連続で前月比下落し、前年同月比もプラス幅が縮小してきました。住宅市況は消費マインドに対して大きな影響力を持っています。
商品市況とコロナ感染状況を両にらみ
豪ドル相場は底堅い展開が続いています。コロナの感染再拡大による景気の先行きに対する不安感よりも、好調な商品市況が好感されています。豪ドル相場と高い連動性が見られた銅相場ですが、7月中旬以降はもみ合っています。しかし、足元では鉄鉱石やアルミなど他の工業用金属相場も底上げされており、豪ドルに対する追い風になっています。
商品市況は、世界的な景気回復の本格化が前提になっているため、相場がコロナの感染状況に左右されることには変わりありません。国内の感染再拡大もあり、底堅いながら経済とコロナ両にらみで、やや神経質な展開が見込まれます。
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