インドネシア金融政策(7月)について

2020/07/17 <>
  1. 政策金利は0.25%下げの4.0%でした。経済復興に向けた財政出動の確実な効果を側面支援します。
  2. インフレ率低下で利下げ余地があります。今後の経済情勢次第では追加利下げの可能性があります。
  3. ルピアは金利低下で頭が重い一方、根強い景気回復期待から、株価は底堅く推移すると見込まれます。

大規模財政出動と歩調を合わせる

インドネシア銀行(Bank Indonesia〔BI〕、以下、中銀)は15-16日に定例理事会を開き、政策金利であるBIレート(7日物レポ金利)を0.25%引き下げ、4.0%としました。利下げは2ヵ月連続、今年4回目です。政府は、総額677.2兆ルピア(4.9兆円、GDP比4.3%)の「国家経済復興計画」を策定し、企業支援を強化しています。また、中銀による国債の一部直接引受も可能とされ、中銀は財政出動が確実に効果を上げるべく、利下げと合わせて側面支援を強めます。

インドネシアの景気は4-6月期が最悪期と見られますが、足元では回復が緩慢です。6月は、製造業PMI(購買担当者景気指数)が急上昇したものの、CPIは前年同月比+1.96%と、約20年ぶりの低水準となり、消費者信頼感指数も低下が続きました。政策金利の水準はインフレ率低下によってまだ引き下げの余地があり、今後の経済情勢次第では追加利下げの可能性があります。

市場は期待先行の動き

インドネシアルピア(以下、ルピア)相場、株価は、3月末前後を底に上昇に転じました。6月以降は、金融緩和強化を受けてルピア相場は頭が重くなっていますが、株価は逆に景気回復期待で上昇傾向が続いています。

代表的な株価指数であるJCI指数で見た予想PER(株価収益率、株価÷一株当たり利益、向こう1年ベース)は現在15.4倍です。これは、過去1年平均の14.0倍よりやや高く、割安感はありませんが、年後半の景気、企業業績の回復に対する期待は根強く、今後は実態を確認しつつ底堅く推移すると見込まれます。

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