米国雇用統計(6月)について~当面の市場展望

2020/07/03 <>
  1. 6月の非農業部門雇用者数は前月比+480万人、失業率は11.1%と、厳しいながら改善が進みました。
  2. 業種で雇用回復に大きな差がありますが、基本的に経済活動再開による改善方向が続くと見込まれます。
  3. 景気回復期待と新型コロナウイルス感染再拡大の懸念が並存し、目先は様子見気運が強まりそうです。

2ヵ月連続の大幅雇用増加も不透明感拭えず

7月2日、米労働省が発表した6月雇用統計(速報)では、非農業部門雇用者数が前月比+480万人と、2ヵ月連続で大幅に増加しました。また、失業率は前月比-2.2ポイントの11.1%でした。5、6月の雇用者増加数は計749.9万人となり、3、4月の減少数2216万人に対し、3分の1程度を戻しました。雇用環境は依然として非常に厳しい状況ですが、改善も進んでいます。

雇用の回復は業種で大きな差が出ています。すでに「コロナ前」の2月の水準以上となっている業種は生活必需品の小売(スーパー、ホームセンターなど)、住宅建築などで、飲食店も半分程度まで戻しています。一方、遅れているのは政府部門で、財政事情の厳しさを反映して人員削減が続いています。また、保険、不動産、企業向けサービスなどが20%前後の戻りにとどまっています。経済活動再開の広がりによる雇用回復の方向は変わらないと思われますが、一部の州で新型コロナウイルスの感染が再拡大し、経済活動制限が再開されるなど、不透明感も出てきています。

材料難で様子見

雇用統計の内容が好感され、市場ではドル高、株高が進行しましたが、新型コロナウイルスの感染再拡大に対する不安感が頭を抑え、大きな動きにはなりませんでした。

米国株は、6月11日に急落し、楽観の行き過ぎが是正され、ドル・円相場も、景気への先行き期待感がやや後退し、足元は双方もみ合いとなっています。株価は、業績予想の下方修正が一巡する一方で、割高感が残っています。ドルは、リスク回避のための需要による不足観測と、大量供給による余剰観測が並存しています。いずれも、目先は好悪両材料に傾斜することなく、様子見気運が強まると見込まれます。

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