南アフリカ経済動向(2020年1-3月期GDP)~為替相場展望
2020/07/01
<投資信託>
- 実質GDPは前期比年率-2.0%でした。コロナ禍直前ですが景気後退が続いていることが示されました。
- ロックダウン(都市封鎖)の解除は6月以降であり、4-6月期の落ち込みが最大になったと見られます。
- リスク回避傾向の後退でランド相場は反発しましたが、コロナ禍の不透明感で神経質に推移しそうです。
年央以降は景気持ち直しか
6月30日、南アフリカ(南ア)統計局が発表した2020年1-3月期の実質GDPは、前期比年率-2.0%でした。南アは、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、3月27日~4月30日に「ナショナル・ロックダウン(全土封鎖)」を実施し、5月から一部緩和、6月から全国的に緩和しています。したがって、景気の最悪期は4-6月期ですが、構造改革に伴う内需低迷で2019年7-9月期から3期連続のマイナスとなりました。
Absa(大手金融グループ)の企業サーベイによると、事業活動指数は、急落した4月の5.1から5月は43.2に急上昇し、制限緩和に伴う景況感へのプラス効果が大きく出ました。景気も7-9月期以降は回復に転じることも示唆した動きです。景気対策(総額5000億ランド、GDP比10%規模)の効果と、欧州など先進国の景気回復の鮮明化が待たれるところです。
コロナ禍の先行き見極め
南アフリカランド(以下、ランド)相場は、経済活動再開による世界的な景気底打ち観測を背景に市場のリスク回避傾向が後退し、4月下旬に1ランド5.6円台を付けて以降、反発しました。6月上旬に6.4円台まで上昇した後は6.1~6.3円で推移しています。
経済活動再開からくる景気先行き期待は、ここにきて、欧米の一部で新規の感染確認が再拡大していることもあり、新興国通貨の上昇傾向が全般的に一服しています。南ア国内の新型コロナウイルスの新規感染確認件数も依然ピークアウトしておらず、当面はコロナ禍の状況をにらみながらの神経質な相場展開が見込まれます。
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