英国の金融政策(6月)~今後の為替相場展望
- BOEは金融政策委員会で政策金利0.1%を据え置く一方、APPの上限を1000億ポンド引き上げました。
- 欧州諸国で経済活動再開が進む中、英国はやや出遅れており、追加緩和で早期景気回復を目指します。
- 当面は経済活動の再開状況、新通商協定締結に向けた対EU交渉をにらみつつもみ合うと予想されます。
経済正常化の立ち遅れ懸念に対応か
BOE(イングランド銀行、英国中央銀行)は6月18日、金融政策委員会(MPC)を開き、政策金利を0.1%で据え置き、0.1%としました。また、6450億英ポンド(以下、ポンド)を上限としていた量的緩和政策(APP:資産購入プログラム)を1000億ポンド積み増し、7450億ポンドとしました。ちなみに、APPの残高は6月12日時点で5835億ポンドです。
量的金融緩和の拡大は、追加緩和によって早期の景気回復を目指すものですが、この背景として英国経済の現状も影響していると見られます。現在、欧州諸国では経済活動再開のすそ野が広がっており、英国も商業活動再開等を進めているものの、フランス、ドイツなど、他の欧州主要国と比べると新型コロナウイルスの感染拡大の収束が進んでいないため、景況感指標ではやや出遅れ感があります。また、EU(欧州連合)離脱後のEUとの新たな通商協定締結に向けた交渉が遅れ、経済に対する先行き不透明感につながっており、これも緩和強化の一因になっていると考えられます。
経済活動再開と対EU交渉を両にらみ
ポンド相場は、世界的な経済活動再開で景気回復期待が高まったことから、市場のリスク許容度が回復し、3月下旬以降反発してきました。しかし、6月中旬以降は、新型コロナウイルスの感染再拡大への懸念が強まり、再び基軸通貨である米ドルへの需要が膨らむ中、下落に転じています。今回の、量的金融緩和拡大もポンド安に働きました。
ポンド相場は、世界的な経済活動再開で景気回復期待が高まったことから、市場のリスク許容度が回復し、3月下旬以降反発してきました。しかし、6月中旬以降は、新型コロナウイルスの感染再拡大への懸念が強まり、再び基軸通貨である米ドルへの需要が膨らむ中、下落に転じています。今回の、量的金融緩和拡大もポンド安に働きました。
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