豪州の金融政策(6月)~当面の豪ドル相場は?
2020/06/02
<投資信託>
- 政策金利、3年金利操作目標は0.25%で据え置きでした。量的緩和は一巡し様子見姿勢となっています。
- 経済活動再開が順調に進んでおり、消費者マインドが改善、7-9月期以降の景気回復が期待されます。
- 世界的な景気回復期待による金属相場上昇も支援材料となり、豪ドルは底堅い展開が見込まれます。
消費マインドが大幅改善
本日、オーストラリア(豪州)準備銀行(Reserve Bank of Australia、以下、RBA)が定例理事会を開き、政策金利のオフィシャル・キャッシュ・レート(OCR)と、3年国債利回りの誘導水準0.25%を据え置きました。量的金融緩和については、今後の景気動向に応じて増加する可能性があるとしていますが、国債購入と期日物資金供給は現時点では一巡し、様子見姿勢となっています。
豪州景気は、年前半は大幅なマイナス成長が避けられない情勢ですが、5月中旬以降各州で経済活動が再開されており、再開に際して感染拡大を防ぐための措置も、緩和が前倒しされる動きも出ています。ロックダウン(都市封鎖)の影響で4月の失業率は前月比1.0ポイント上昇の6.2%と、雇用環境が急速に悪化しました。一方、5月の消費者信頼感指数は4月の75.64から88.06に急上昇し、年後半に向けて景気に明るさが戻りつつあります。
景気とコロナ感染状況を両にらみ
豪ドル相場(対円)は上昇が続いています。足元は73円台と、2月下旬以来の水準まで戻してきました。経済活動の再開が順調に進み、景気の先行き不安が後退していること、商品市況が金属相場中心に回復が顕著で、鉱物資源を産する国としての通貨が選好されやすいことが支援材料になっていると見られます。
豪州は南半球なので、冬季中の新型コロナウイルスの感染拡大がどうなるのか、依然不透明な部分が残っています。北半球諸国の経験が生かされ、急速な感染拡大のリスクは次第に小さくなっています。景気と両にらみしつつ、相場は当面底堅い展開が見込まれます。
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