アムンディ・ヨーロッパ通信~欧州社債市場、これまでの動きと今後の展望
2020/05/01
<投資信託>
政策が市場を安定化
欧州の社債市場は3月中・下旬以降、投資適格債、ハイイールド債共に対国債スプレッドが急速に縮小しました。これは、経済、市場が混乱する中で、先進国を中心に相次いで大規模な景気対策が発表され、株式、社債等のリスク資産に対する不安感が後退したためと見られます。その後、ECB(欧州中央銀行)が資金供給に対して金融機関が差し入れる担保の要件を緩和し、投機的格付けであるBB(ダブルB)格相当の債券の担保受け入れを表明しました。社債市場は財政、金融政策で安定を取り戻したといえます。
下支えされつつ本格回復を待つ
現在の社債の対国債スプレッドは、市場の混乱で拡大した幅のおおよそ半分を取り戻した状態にあります。景気は後退の渦中にあり、社債のデフォルト(債務不履行)リスクはむしろその後に顕在化する傾向にあるため、市場は不安定化しやすい環境にあります。しかし、政策で下支えされながら、社債市場はさらなる安定化(対国債スプレッドの縮小)を待つ段階に入ってきたと考えられます。
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