アムンディ・ヨーロッパ通信~景気対策で試されるEUの結束

2020/03/27

 

新たな景気対策承認

新型コロナウイルス対策のため、先進国を中心に経済活動を制限しており、世界的に大きな景気の落ち込みが懸念されています。こうした中、欧州議会は26日、「コロナウイルス対策投資イニシアチブ」として370億ユーロを承認しました。EUの景気下支えのために使われる予定です。また、自然災害の復旧等に使われていた「EU連帯基金」を公的保険への支援に活用することも決めました。一方、ESM(欧州安定メカニズム)における各国政府への与信枠(最大名目GDP比2%)の活用も提案されましたが、利用条件で加盟国間の一致が得られず、結論が先送りされました。今後の対策強化をめぐり、EUの結束が試されています。

パニックはひとまず収束

欧州株式市場は、相次ぐ景気対策の発表を受けて、ひと頃のパニック状態は収束した感があります。EUに加え、ドイツ政府が大規模な補正予算の編成を表明したことも市場に好感されたと見られます。欧州株は年初来高値から最大35%程度下落(STOXX欧州600指数:2月19日~3月18日、終値ベース)しましたが、3月下旬は反発に転じ、下げ幅の4分の1程度を戻しました。今後の動きも、これからの政策対応にかかっているといっても過言ではないでしょう。

※Stoxx 欧州 600はSTOXX Limitedが発表しており、著作権はSTOXX Limitedに帰属しています。

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