ユーロ圏の3月景況感について
- ユーロ圏の3月景況感指標は、新型コロナウイルス対策による経済活動制限の影響で大幅な悪化でした。
- 時期の推測は困難ですが、感染収束の動きが出てきた段階で、景況感は回復に転じると期待されます。
- 市場は依然、短期的な変動性が大きいものの、大胆な景気対策等で落ち着きを取り戻しつつあります。
市場に追随したような動き
ユーロ圏の3月の景況感指標は、2月下旬以降起こった株価の急落や長短金利の急低下をそのままなぞるように大幅に悪化しました。IHS Markitが発表したユーロ圏のPMIは、総合が前月比-20.2の31.4でした。リーマンショック時を下回り、過去最低です。経済活動が制限される中で、特にサービス業が落ち込み、同-24.2の28.4(過去最低)、製造業は同-4.4の44.8でしたが、生産中止が広がる中で、早晩サービス業に追随する公算が大きいと考えます。また、CESifoが発表した3月のドイツ企業景況感指数(ifo指数)もほぼ同様の動きで、前月比-9.9の86.1でした。
市場参加者が調査対象の景況感指数の悪化もほぼ同様の動きです。ZEW指数※(期待)は前月比-59.9の-49.5でした。また、センティックス経済信頼感指数☆(総合)は同-21.3の-17.1でした。今のところ、時期の推測は困難と言わざるを得ませんが、感染収束の動き(拡大ペースの鈍化か、治療法研究の進展か、どのような形かは今のところ分かりません)が出てくれば、このような一連の景況感悪化は、回復へ転じると期待されます。
※ZEW指数:ドイツの調査機関ZEW(欧州経済研究センター)がアナリスト、機関投資家、市場関係者に対するアンケート調査を基に算出
☆センティックス経済信頼感指数:ドイツの調査会社センティックス社が個人投資家、機関投資家に対するアンケート調査を基に算出
パニック的な市場の動きの次にくるもの
市場は、まだ落ち着くには程遠い状態と言わざるを得ないものの、大胆な景気対策などにより、ひと頃のようなパニック的な動きは収まってきた感もあります。今後、景気の実態が明らかになるにつれ、市場が神経質に反応することには注意が必要で、厳しい局面が出てくる可能性も否定できません。しかし、パニック的な動きの次には、事態の収束を見据えた流れへと、次第に変化してくることが期待されます。
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