ユーロ圏の2月景況感~新型ウイルスが最大の懸念

2020/02/25
  1. ユーロ圏の2月景況感は、企業側と市場参加者側で見方が分かれ、市場参加者側が弱くなりました。
  2. まだ、年前半に景気底打ちの流れですが、新型ウイルスの感染次第で再度弱くなる可能性が出ています。
  3. 新型ウイルスの春収束を条件に、経済活動正常化と景気回復期待でリスク選好改善が期待されます。

新型ウイルス感染拡大を警戒

ユーロ圏の2月の景況感は、1月に続いて企業側の指標と、市場参加者側の指標とで明暗が分かれましたが、1月とは逆で市場参加者側が弱くなりました。企業側では、IHS Markit発表のPMI(総合)が前月比+0.3の51.6、CESifo発表のドイツ企業景況感指数(ifo指数)が同+0.1の96.1でした。ただし、上昇は小幅で、企業もある程度先行きを慎重に見ている様子が見られます。また、イタリアでの感染者数急増(23日以降)前の調査であることも考慮に入れておくべきかと思われます。

一方、市場参加者側では、ZEW指数(期待)が前月比-15.2の+10.4、センティックス経済信頼感指数(総合)が同-2.4の+5.2でした。新型ウイルスの感染拡大による経済活動の委縮を織り込んだものと見られます。PMIやifo指数よりも発表が早いものの、市場参加者は早くも警戒モードになったと考えられます。ZEW指数もセンティックス指数もこれまでの回復を覆すほどではありませんが、今後の新型ウイルスの感染状況次第ではさらに弱くなる可能性も否定できません。

新型ウイルスの景気への影響度合いが相場に影響

ユーロ相場は、新型ウイルスの感染が拡大する中、米国以外の経済活動の委縮を懸念する形でドル高・ユーロ安が続いていました。しかし、ここに来て米国でも感染者が拡大、景気の先行き懸念が台頭する中で、世界的に株価が急落し、21日はドル安に転じ、ユーロ安は一服しました。世界的に景気底打ちが先送りになるとの懸念で、ユーロ相場は当面、神経質な展開が予想されます。もし、新型ウイルスが春までに収束するならば、リスク選好度合いが改善し、その場合はユーロの持ち直しも有り得ると考えます。

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