ズームイン・インディア~改善が鮮明となった企業の景況感
景気減速が続くインド経済ですが、ここに来て先行き景気回復を期待させる指標が発表されました。足元では、新型ウイルスの世界経済への悪影響が懸念されていますが、どのように考えたらよいでしょうか?
PMI急上昇
インドの景気は2017年10-12月期をピークに、ほぼ2年間減速が続いています。これに対し、利下げや積極財政など、景気テコ入れが実施されてきましたが、ここに来て、先行き景気回復を示唆する動きが出てきました。
企業の景況感を測る経済指標であるPMIが1月に急上昇しました。総合は56.3、うち製造業は55.3、サービス業は55.5でした。総合と製造業は2012年2月以来、サービス業は2013年1月以来と、7~8年ぶりの高水準です。これは、これまでの景気刺激策の効果が出始めたことを端的に示すものと見られますが、米中通商協議が進展し、世界貿易回復への期待が高まったことも背景にあると思われます。足元では、新型ウイルスの世界経済への影響が懸念されるものの、国際的な協調への期待が高まり、悲観的な見方は後退しています。
「ウイルスリスク」織り込み
インド株式市場は年初から高値波乱の展開です。年明け早々に米国、イランの間での軍事的緊張から下落しましたが、早期に収拾したため、米中通商交渉の進展を好感して一時史上最高値を更新しました。しかし、新型ウイルスの感染拡大でリスク回避指向が強まり、SENSEX指数は最高値から6%強下落し、一時40000ポイントを割り込みました。新型ウイルスの影響は依然不透明で、目先はまだ波乱含みです。
しかし、1月30日にWHO(世界保健機関)が緊急事態宣言を出した後は、ウイルス対策へ国際協調の気運が高まるとの見方から、「ウイルスリスク」は市場に織り込まれる方向にあります。インド準備銀行(RBI)は今後のインド経済について、2020年後半には+6%程度の経済成長ペースを取り戻すと予想しており、市場は景気回復を見据えた底堅い展開になっていくことが期待されます。
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