米企業の景況感(1月)~今後の景気、市場展望

2020/02/06 <>
  1. 企業の景況感は製造業、非製造業双方で改善しました。特に製造業が、良い形での改善が顕著です。
  2. 新型ウイルス対策が景気に与える影響は依然不透明で、景況感の回復持続にはまだ確認が必要です。
  3. 目先はまだ神経質な動きがあり得ますが、市場は「ウイルスリスク」を織り込みつつあると見られます。

製造業急回復も不透明感残る

ISM(全米供給管理協会)が発表した1月のPMI(製造業・景気指数)は、前月比+3.1の50.9と、業況拡大、縮小の境目である50を6ヵ月ぶりに上回りました。また、NMI(非製造業・景気指数)は同+0.6の55.5でした。米企業の景況感は改善が鮮明になっています。

両指数の構成指数を見ると、生産指数(NMIでは企業活動指数)が製造業、非製造業でそれぞれ前月比+9.5、+3.9と好調でした。また、製造業の新規受注指数は同+4.4と先行きの生産拡大も示唆する状況です。在庫指数が同-0.4ですが、これは在庫削減が進んでいることを示唆しており、生産、新規受注の改善と合わせると良い内容と判断されます。

ただし、新型ウイルスの感染拡大を食い止める政策が経済活動を委縮させ、世界の景気をどの程度下押す効果があるかは依然不透明です。金融緩和の効果で年明け後に景気底打ち気運が高まってきたものの、景況感回復の持続性にはまだ確認が必要な状況と考えられます。

   

市場は楽観的?

米国市場では、新型ウイルスの感染拡大が表面化してきた1月後半から株価が下落し、長期金利が低下しました。しかし、1月末を底に株価は大きく反発、長期金利も上昇に転じています。

1月30日、WHO(世界保健機関)が緊急事態宣言を出し、新型ウイルスに対する国際的協調が期待できる段階になりました。また、米国では厳格な管理が行われ、経済的影響を最小限に食い止められるとの期待が高まっています。目先はまだ神経質な動きも有り得ますが、市場は「ウイルスリスク」を織り込みつつあると見られます。

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