中国経済の動向(2019年10-12月期GDP)~市場の行方は?
2020/01/20
<投資信託>
- 実質GDPは前年同期比+6.0%で前期と同水準、2019年年間では+6.1%と29年ぶりの低水準でした。
- 消費の減速に対して投資が加速し、成長率が下支えされましたが、在庫増加が相当あると見られます。
- 米中通商協議の進展で輸出回復が期待されるも、2020年は内需減速で+6%割れが予想されます。
消費の減速続く
中国国家統計局が発表した2019年10-12月期の実質GDPは前年同期比+6.0%でした。7-9月期から横ばいでした。消費の減速に対して投資が加速し、成長率を下支えした形です。一方、外需(輸出-輸入)は、輸出入共に回復した中で輸入の回復の方が大きく、寄与度はごく小幅なプラスでした。消費の減速と合わせて考えると、投資には在庫投資の増加が相当あると見られます。
また、2019年年間では+6.1%と、天安門事件(1989年6月)後の1990年に記録した+3.9%以来、29年ぶりの低水準でした。2018年の+6.7%から0.6ポイントの大幅な減速で、内需主導の減速でした。外需(輸出-輸入)は、景気減速で輸入の減少が輸出の減少以上となり、貿易黒字は年間で4215億ドルと、2018年の3509億ドルから拡大し、寄与度がプラスとなりました。
2020年は米中通商協議が進展したこともあり、輸出の回復が期待されますが、債務問題等を抱えて投資活動の動きが鈍く、雇用環境が厳しくなる中で消費も減速傾向が続くと見込まれ、+6%を割り込んでくると予想しています。
株価は対世界でやや劣後、当局管理で元高抑制
中国株式市場は、上海総合指数の2019年騰落率が+22.3%と堅調でした。ただし、景気対策を好感して春頃までに急上昇した後はもみ合いです。中国元は夏場以降上昇しています。貿易黒字拡大が影響したと見られます。
米中通商協議の進展はプラスながら、内需の減速で企業業績は依然厳しく、株価は世界に対してやや劣後、為替相場は当局管理の下、1ドル7元前後を推移すると見込まれます。
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