米企業の景況感(12月)について~年明け後の景気・市場展望
2020/01/08
<投資信託>
- 製造業と非製造業とで明暗が出ましたが、総合的な業況は改善しました。内需の底堅さが支えています。
- 2019年後半以降の金融緩和の景気刺激効果が次第に表面化し、景気は下支えられると見込まれます。
- 市場は足元波乱含みですが、基本的に景況感改善の方向で、実態を確認しつつ推移すると考えます。
良好な雇用環境による景況感の下支え続く
ISM(全米供給管理協会)による12月のPMI(製造業購買担当者指数)は前月比-0.9の47.2、NMI(非製造業購買担当者指数)は同+1.1の55.0でした。両者で明暗が出ましたが、生産高による加重平均は前月比+0.8の53.7と、総合的な景況感は改善しました。
PMIの構成指数では、生産指数が前月比-5.9の43.2で2009年5月以来の低水準と、景気後退期相当のレベルです。また、新規受注指数は同-0.4の46.8と小幅低下ですが、2009年4月以来の低水準で、やはり景気後退期並みのレベルです。引き続き海外景気の減速が影響しています。
NMIの構成指数では、企業活動指数が前月比+5.6の57.2と急回復し、内需の底堅さが示されました。良好な雇用環境が影響していると見られます。PMI、NMI共に雇用指数は前月比低下しましたが、NMIの雇用指数は55.2と良好であり、総合的な景況感を支えたと見られます。
市場は景気実態を確認しながらの推移
米国株式、債券市場は、中東での地政学的リスク拡大で、年初から波乱含みの展開です。局所的な軍事行動の応酬はあるものの、全面的な衝突に発展する公算は小さいと見込まれ、時間の経過に伴って、当該リスクは次第に市場に織り込まれていくと考えます。
先行きについては、2019年後半以降の金融緩和の景気刺激効果が次第に表面化し、景況感は改善方向に転じると見ています。期待先行で推移した2019年に比べ、2020年は実際の景気改善を確認しながらの推移となり、当初は慎重な値動きをすることも考えられますが、基本的には景況感の改善を見据えた底堅い展開になると考えます。
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