ブラジルの金融政策(12月)~レアル相場の現状判断

2019/12/13
  1. 政策金利を4.5%に引き下げました。安定した物価環境を背景に年明け後も利下げが想定されています。
  2. ブラジルの景気回復鮮明化を受けて、中銀は、2020年には利上げ局面への転換も想定しています。
  3. レアル相場は政治リスクに押し下げられていると見られ、景気、株価と比較して割安感があると考えます。

利下げは年明け後に小幅な追加で打ち止めへ

ブラジル中央銀行(以下、中銀)は、12月10-11日のCopomで、政策金利のSELIC金利を5%から4.5%に引き下げました(全会一致)。4会合連続の利下げで、過去最低を更新しました。累積の下げ幅は2%です。安定した物価環境と構造改革の進展を受けて、景気回復が鮮明化しつつあるブラジル経済のさらなる後押しを目指します。

中銀は、2020年初めの政策金利の想定を4.25%としており、次回会合(2月4-5日)にも小幅な追加利下げを実施して、利下げを打ち止めとすることを示しています。ところが、2020年末の想定については4.5%としています。これは、2020年には利上げ局面に転換することも示していることになります。中銀は、2020年のインフレ目標を、2019年から0.25%引き下げる(+4.25%→+4%)予定ですが、インフレ率は引き続き目標圏内で推移すると想定しています。

※Copom(Comitê de Política Monetária):金融政策委員会 ◇SELIC(Sistema Especial de Liquidação e Custódia):決済・預託特別システム

割安感強まるレアル

ブラジルレアル(以下、レアル)相場は軟調で、9月初めには対円で、11月終わりには対ドルで史上最安値を付けました。景気回復が鮮明化しつつある中で、レアルには追い風が吹いていると見られますが、政治リスクが大きく、上昇が阻まれていると見られます。

中南米諸国(ベネズエラ、コロンビア、チリ、アルゼンチン)で政治、経済の混乱が深刻化し、中南米全体に対するイメージが悪化しています。また、従来からの政治リスクである米中貿易摩擦の先行きが依然不透明です。一方、株価は堅調で、代表的な株価指数であるボベスパ指数は、12月に入って史上最高値を更新しました。景気、株価の状況と比較して、レアルには割安感があると考えます。これまでの金融緩和の効果により、2020年はさらに景気が回復してくると予想され、割安が修正される局面があってもおかしくないと考えます。

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