ユーロ圏の11月景況感について
- 11月のユーロ圏景況感指標は依然として弱い状況ですが、下げ止まりを示す動きが多く見られました。
- 懸念されていたドイツの景気後退入りが回避され、ユーロ圏景気の先行き不安が和らいだと見られます。
- 世界的な金融緩和が年明け後の景気を刺激し、景況感は持ち直し、ユーロは下支えられると考えます。
景気後退回避で先行きに安心感
ユーロ圏における11月の景況感は、全般的には依然弱さが見られますが、下げ止まりを示す動きが多く見られました。IHS Markitが発表したPMI(総合)は、前月比-0.3の50.3ともたつきました。製造業が同+0.7、サービス業が同-0.7と明暗が分かれ、製造業が持ち直す一方、底堅かったサービス業に弱さが見られました。CESifoが発表したドイツ企業景況感指数(ifo指数)は同+0.3の95.0(2015年=100)でした。現況指数が同+0.1、期待指数が同+0.5と、下げ止まり様相を呈しました。
また、ZEW指数※(期待)は前月比+22.5の-1.0、センティックス経済信頼感指数☆(総合)は同+12.3の-4.5と、双方急上昇しました。懸念されていたドイツの景気後退入りが回避され、市場参加者の景気先行き不安が和らいだことが背景にあると思われます。以上の各景況感指標を見た限りでは、製造業の不振が、これまで底堅かった個人消費に影響し始め、景気の先行きはまだ楽観できないものの、ユーロ圏の景気は最悪期を通過しつつあるのではないかと考えられます。
※ZEW指数:ドイツの調査機関ZEW(欧州経済研究センター)がアナリスト、機関投資家、市場関係者に対するアンケート調査を基に算出 ☆センティックス経済信頼感指数:ドイツの調査会社センティックス社が個人投資家、機関投資家に対するアンケート調査を基に算出
金融緩和が結果的にユーロを下支え
ユーロ相場は、対ドルでは10月上旬、対円では8月上旬に底打ちしました。英国の欧州連合(EU)離脱問題、米中通商交渉進展に対する期待がユーロを押し上げたと見られます。ただし、足元では米景気の先行き不安緩和でドル高・ユーロ安となっています。
現在、欧米や多くの新興国で実施されている金融緩和が、年明け後の景気を刺激し、景況感は持ち直してくると見込まれます。リスク選好が改善する中でユーロは下支えられると考えます。
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