米国の2019年7-9月期GDP速報~今後の市場展望
- 実質GDPは前期比年率+1.9%でした。個人消費、設備投資が減速の一方、外需などが下支えしました。
- 良好な雇用環境が維持されており、個人消費の減速は限定的で、景気失速リスクは小さいと見られます。
- 米国景気は2020年半ばにかけて底打ちし、株価、ドルは底堅く推移し、金利は底打ちが見込まれます。
内需減速も外需が下支え
10月30日、米商務省が2019年7-9月期の実質GDP(速報)を発表、前期比年率+1.9%でした。4-6月期から小幅に減速しました。潜在成長率とされる+2%程度とほぼ同水準の成長を確保しました。
内容は、4-6月期に比べ成長のけん引役となってきた個人消費の減速が目立ったほか、設備投資のマイナス寄与の幅が拡大し、企業活動の停滞が見られました。一方、4-6月期ではマイナス要因となっていた在庫投資、外需(純輸出、輸出-輸入)のマイナス幅が縮小し、全体を下支えした形です。外需では輸出が下げ止まったのと同時に輸入も3期ぶりに前期比で増加に転じ、対中制裁や景気減速の影響がやや緩和されました。
米国景気は当面減速傾向が続くものの、金融緩和の景気刺激効果で、2020年半ばにかけて持ち直しに転じると予想されます。良好な雇用環境が維持されており、個人消費主導となるほか、現在減少している設備投資も、低金利に反応して次第に下げ止まると見込まれます。
市場の安心感、徐々に高まる
米国資本市場は2018年の秋口から3~4ヵ月ほど、景気減速懸念と金融政策の緩和への転換が見えない状況で、一時株価、金利、ドルがすべて急落する局面が見られましたが、金融政策スタンスが緩和方向に転換するにつれ、株価、ドルが切り返し、その後利下げが実現することで市場のリスク選好が高まりました。景気失速懸念が後退するにつれ、再び下落していたドルも底打ちしました。
現在は、金融緩和が株価を下支えする状況にある一方、ドルは底打ちしたとはいえ上昇余地はまだ小さいと見られます。今後景気が下げ止まりから持ち直しに転じるにつれ、市場の安心感は徐々に高まり、株価、ドルは底堅く推移すると予想されます。政策金利はしばらく低位が続く一方、長期金利は底打ちしてくると予想されます。
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