アムンディ・ヨーロッパ通信~IMFの最新ユーロ圏経済見通し

2019/10/25

在庫調整圧力長引く

去る10月7日、IMFが世界経済見通しを発表しました。ユーロ圏の実質GDP成長率は、2019年が+1.2%、2020年が+1.4%と、7月に発表された前回の見通しから、それぞれ0.1ポイント、0.2ポイント下方修正されました。外需の減退と、積み上がった在庫を削減するための生産の抑制が長引いていることが背景にあります。また、英国のEU(欧州連合)離脱問題などの政治リスクが解決せず、企業行動が慎重となり、投資活動が鈍っていることも一因になりました。主要国では、外需への依存が高いドイツと、内需が弱く、財政出動も期待しにくいイタリアで下方修正の大きさが目立ちました。

景気失速リスクは小さい

IMFの見通しにもあるように、下方修正はされたものの、景気失速のリスクは依然として小さいと考えられます。ECB(欧州中央銀行)を含む多くの国・地域の金融当局が金融緩和を進めており、先行きは景気刺激が期待されます。また、今年の景気下押しの一因となった環境対策強化からくるドイツでの自動車生産減少が一巡するといった、テクニカルな要因も作用すると考えられます。

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