ユーロ圏の9月景況感について
- ユーロ圏の9月景況感指標は、動きにややバラつきは見られるものの、全体としては依然弱い状況です。
- 在庫環境悪化が止まった感がありますが、企業生産は引き続き抑制方向にあり、景気押し下げ要因です。
- 世界的な金融緩和を受け、企業景況感は年明け後に最悪期を脱し、生産活動は底打ちが期待されます。
市場参加者の悲観はやや後退
ユーロ圏の9月景況感は、指標によって動きにバラつきが見られるものの、依然としてかなり弱い状況です。23日にIHS Markitが発表したPMI(総合)は、前月比-1.5の50.4と、比較的大きな低下でした。製造業、サービス業共にほぼ同幅低下し、景況感の冷え込みが非製造業にも及んできた感があります。一方、24日にCESifoが発表したドイツ企業景況感指数(ifo指数)は同+0.3の94.6(2015年=100)と小幅上昇でした。在庫環境の悪化が止まった感があるものの、企業生産は引き続き在庫削減のために抑制方向にあり、期待指数は同-0.5となり、先行きに対する慎重な姿勢が続きます。
なお、ZEW指数※(期待)は前月比+21.2の-22.4と急上昇でした。また、センティックス経済信頼感指数☆(総合)も同+2.6の-11.1と上昇しました。世界的に金融緩和が進み、ECB(欧州中央銀行)も利下げ、量的緩和などの金融緩和に踏み出す中で、市場関係者がユーロ圏景気に対する先行き悲観をやや後退させた形です。
※ZEW指数:ドイツの調査機関ZEW(欧州経済研究センター)がアナリスト、機関投資家、市場関係者に対するアンケート調査を基に算出 ☆センティックス経済信頼感指数:ドイツの調査会社センティックス社が個人投資家、機関投資家に対するアンケート調査を基に算出
景気重視の政策姿勢が中長期的にはユーロに追い風
ユーロ相場は引き続き鈍い動きです。貿易伸び悩みへの不安感、英国のEU(欧州連合)離脱難航などから、ユーロ圏の景気に対する先行き不透明感が払拭できない状態です。
9月12日、ECB(欧州中央銀行)が、利下げ、量的緩和再開などの金融緩和に踏み切りました。これは、向こう数ヵ月間はユーロ相場の頭を抑える要因になると思われますが、一方で先行き景気を押し上げることにつながり、中長期的にはユーロに追い風になると期待されます。
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