アムンディ・ヨーロッパ通信~EU離脱完遂へ動き出した英国

2019/08/30 <>

現実味帯びる「合意なき離脱」

ジョンソン首相がEU(欧州連合)離脱を完遂すべく動き出しました。9月9日から10月13日まで議会を休会し、10月末に「合意なき離脱」に踏み切ることも辞さない姿勢を鮮明にしました。穏健離脱派や残留派の動きを封じた形です。また、ジョンソン首相は、EUと代替的な通商協定が決まるまでEUの関税同盟にとどまる「バックストップ条項」に反対の立場です。関税同盟にとどまる限りEUのルールに従う必要があり、独自の動きができないためです。一方、EUが再協議に応じるようすはなく、「合意なき離脱」が現実味を帯びています。

国民も覚悟し始めた?

国民の姿勢に変化が見られます。政党支持率を見ると、ジョンソン氏の首相就任後、保守党の支持率が急回復しています。離脱完遂への姿勢が評価され、強硬な離脱を主張するBrexit党の支持を吸収した形です。また、残留、離脱を問う世論調査は、ほとんどの調査で残留が離脱を上回っていますが、その差は縮小傾向にあり、直近の調査(8月19日発表、Kanter調べ)では残留36%対離脱35%と僅差でした。英国民も離脱を覚悟し始めたのでしょうか?

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