インドネシア経済の現状と市場展望~2019年4-6月期GDP
2019/08/06
<投資信託>
- 実質GDP成長率は前年同期比+5.05%、低インフレの下、内需主導の安定した経済成長が続きます。
- 中銀は物価安定と国際収支改善を受けて7月に利下げを実施しました。今後の景気刺激が期待されます。
- 足元、市場は米中貿易摩擦再燃で混乱していますが、堅調な国内景気が下支えになると考えます。
「インフレなき」安定成長続く
8月5日、インドネシア中央統計局が発表した2019年4-6月期の実質GDPは、前年同期比+5.05%でした。10期連続の+5%超となっており、安定した経済成長が続いています。最終消費が同+5.73%、固定資本投資が同+5.01%と、内需が総じて旺盛で、これら2項目で前年同期比で実質GDPを+4.93%押し上げました。インドネシア銀行(以下、中銀)は、今後も+5%台の安定成長が続くと予想しており、アムンディでもほぼ同様に見ています。
7月18日、中銀は政策金利である1週間物レポ金利を6%から5.75%へ引き下げました。経常赤字の縮小と投資資金の流入で、国際収支が改善していること、インフレ率が目標圏内で安定していることから、以前から利下げ余地が出てきているとの見方が増えていました。市場では複数回の利下げも予想されており、今後の景気刺激が期待されます。
堅調な景気が下支え
ルピア相場と株価は、米国の利下げを始め、世界的な金融緩和気運の盛り上がりを受けて堅調に推移していました。しかし、トランプ米大統領の対中輸入への関税強化表明(8月1日)で環境が一変し、双方とも急落しています。
トランプ米大統領の関税をめぐる市場の混乱は5月にもありました(当時は対メキシコ)。この時も、代表的株価指数のJCI(ジャカルタ総合指数)は、それ以前の高値から最大13%下落し、ルピアの対円相場も同じく最大6%下落しました。今回も、米中貿易摩擦再燃で、しばらくは波乱を余儀なくされますが、今後の交渉の進展や、堅調な景気を背景に、次第に安定すると考えます。
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