アムンディ・ヨーロッパ通信~Brexit最大の懸案「バックストップ」って?

2019/08/02 <>

バックストップとは

英領北アイルランドとアイルランドとの国境が、Brexitによって、本来なら厳格な管理下に置かれるべきところを、ひとまず自由な通交を維持するための取り決めです。ボリス・ジョンソン英首相はバックストップ撤回を主張しています。

アイルランドとの立場の違い

バックストップによると、英国はEUの関税同盟にとどまる上、EUの規則に従う必要があり、EU司法の監督も受けます。これではEUを離脱する意味がないとして、離脱派英議員の多くはバックストップに反対です。一方、アイルランド側としては、英国は最大の貿易相手のため、国境管理が厳格化すると、EU加盟国としての負担が懸念され、バックストップは必要な措置です。

北アイルランドの立場

当初、バックストップの適用範囲は北アイルランドのみでした。しかし「一国二制度」のようになるとして反対が強く、メイ前首相は英国全体に適用すると同時に2020年末までの移行期間を設け、EUと合意に至りました。しかし、有効な代替策が確保されない限りバックストップの適用が自動継続されるため、離脱が骨抜きにされると、離脱派が反対しました。様々な利害が錯綜しているため、EU離脱期限の10月末までの解決は困難との見方が大勢です。

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