トルコの金融政策(7月)~政策スタンスとリラ相場の行方は?
2019/07/26
<投資信託>
- 政策金利を4.25ポイント引き下げ19.75%としました。インフレが鈍化し、利下げ余地が出ていました。
- 大幅な利下げに踏み切り、今後の景気回復が期待されます。一方、ここからの利下げは慎重でしょう。
- 利下げ局面に入って投資資金流入が期待される一方、政治的な印象が悪く、為替市場は冷静な動きです。
先行き景気に明るさ、今後の利下げはCPIに沿って
トルコ中央銀行(以下、中銀)は25日の金融政策委員会で、政策金利(1週間物レポ金利)を24%から19.75%と4.25ポイントの大幅な利下げを実施しました。6月のCPIが前年同月比+15.72%とインフレ鈍化が鮮明となったことが背景にあります。引き下げ前の政策金利との差が9%近くに拡大し、トルコの潜在的な成長力(5%程度と見られています)から見て大幅な利下げ余地が出ていました。今回の利下げでCPIと政策金利との差は4%程度に縮小しました。
トルコ経済は1-3月期に4期ぶりにプラス成長に転じ、景気後退期を抜け出しました。しかし、雇用環境の悪化や、製造業の景況感が依然弱いことから、まだ楽観できません。こうした中、大幅利下げが実施されたことは、トルコ経済の先行きにプラスに寄与すると期待されます。大幅利下げによって、拡大した利下げ余地が修正されたことから、今後はインフレの情勢に沿った政策金利操作を行ってくると見込まれます。市場のインフレ予想(年末で+14.84%)に基づくと、あと1%程度の追加利下げも有り得る状況と考えます。
政治的イメージの悪さが問題
リラ相場は、足元では持ち直し傾向にあります。インフレ鈍化➝利下げ余地➝投資資金流入期待の図式で、市場がリラを見直しつつあることが見られます。ただし、利下げに先立ち、エルドアン大統領が中銀総裁を更迭し副総裁を昇格させたことは、政治的なイメージが悪く、市場は期待に走ることなく冷静です。リラ相場は底堅いと見込まれますが、あくまでも景気実態を確認しつつ、徐々に水準を切り上げていく展開になると見込まれます。
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