ユーロ圏の6月物価・5月雇用~年後半の展望

2019/07/02 <>
  1. 6HICPは総合が前年同月比+1.2%、コアが同+1.1%。景気減速の影響もあり低位が続きます。
  2. 8月失業率は7.5%と、金融危機後の最低を更新しました。イタリア、スペインの低下がけん引しました。
  3. 景気減速の影響で年内は低インフレが続く一方、景気失速には至らず、雇用増加が続くと見込まれます

景気失速リスク小さく、大きく状況変わらず

Eurostat(EU統計局)が6月28日に発表した6月のHICP(統合消費者物価指数)速報は、総合が前年同月比+1.2%(前月比変わらず)、コアが同+1.1%(同+0.3)でした。コアが上昇したのは、外泊費、旅客サービスなど動きの大きいサービス品目の影響と見られます。インフレ率はECB(欧州中央銀行)が目標とする+2%弱を下回り、低位で推移しています。年後半もこれまでの景気減速の影響が残り、ほぼ同水準で推移すると見込んでいます。

また、1日に発表された5月の失業率は7.5%と、金融危機後の最低を更新しました。2008年7月以来10年10ヵ月ぶりの低水準です。イタリアが9.9%(前月比-0.2)と2012年2月以来の10%割れ、スペインは13.6%(前月比-0.2)と、2008年10月以来の低水準となり、ユーロ圏全体の失業率低下をけん引しました。その他の国も失業率が上昇した国はなく、全般的に雇用の底上げが進んだと見られます。金融政策が緩和バイアスを強める中、景気失速リスクは小さく、景気減速の影響で雇用増加はペースをやや落としつつも持続すると予想します。

201907021

景気底堅く、年後半はユーロ見直しへ

ユーロ相場は、米国で利下げの見方が強まった6月以降、やや反発しています。5月末の1ユーロ1.11ドル台後半から、6月下旬に一時1.14ドル台まで上昇したあとは一服しています。

米欧金利差縮小の影響は半ば織り込まれたと見られ、今後は景気動向が相場に影響すると見込まれます。年後半は政治リスク縮小や緩和気味の金融政策により、良好な雇用環境から景気は底堅いと見込まれ、ユーロは幾分見直され、緩やかに持ち直すと想定しています。

201907022

アムンディ・マーケットレポートはこちら

http://www.amundi.co.jp/report/list.html

アムンディ・ジャパン株式会社
グローバル経済、金融政策、マーケットなどの動向、展望を、投資家の皆様に向けてタイムリーに分かりやすく解説します。本体であるアムンディ・パリからの経済、市場等の見通しも随時ご紹介します。
当資料は、アムンディ・ジャパン株式会社(以下、弊社)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたものではありません。当資料は法令に基づく開示資料ではありません。当資料の作成にあたり、弊社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に記載した弊社の見通し、予測、予想意見等(以下、見通し等)は、当資料作成日現在のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また当資料に記載した弊社の見通し等は将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。

アムンディ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第350号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人 第二種金融商品取引業協会