インドネシアの金融政策(2019年6月)について

2019/06/21 <>
  1. ルピア預金準備率を0.5%引き下げました。流動性増で内需を刺激します。政策金利は据え置きでした。
  2. 利下げが期待されていますが、対外収支の改善が目標未達で、実施するなら秋口以降と見込まれます。
  3. 米利下げが実現し、さらに国内も金融緩和が進めば、投資資金流入で通貨、株価底上げが期待されます

米利下げ気運台頭で緩和余地

インドネシア銀行(BI、以下、中銀)は18-19日に定例理事会を開き、政策金利であるBIレート(1週間物レポ金利)を6%に据え置きました。2018年12月以降8会合連続の据え置きです。一方、ルピア預金に対する預金準備率を0.5%引き下げました(一般銀行:6.5%→6%、イスラム法準拠銀行は5%→4.5%)。7月1日施行です。資金供給が増えることで、銀行貸出が促され、内需が刺激されることが期待されます。今回の措置は、インフレの低位安定(CPI〔消費者物価指数〕が17ヵ月連続で目標の+3.5%以下)、米国での利下げ気運台頭などが背景にあったと見られます。

今後、利下げの可能性が検討される見込まれます。ただし、中銀は対外収支の改善を条件としています。2019年1-3月期の経常収支は、対名目GDP比-2.6%(赤字)でした。中銀は-2.5%を目標としています。中銀は、4-6月期も改善が続いていると判断しており、利下げの可能性は相応にあると考えます。米国の利下げを前提に、8月21-22日の会合以降と予想されます。

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ルピア建て資産投資見直しへ

通貨ルピア及び株価は米中貿易摩擦の再燃が懸念されて、5月に乱高下しましたが、世界的に金融緩和気運が高まる中、足元では回復傾向となっています。

預金準備率引き下げでも景気刺激効果が期待できますが、利下げが加われば投資資金の流入増加が期待でき、ルピアにも株価にも追い風になると考えます。差し当たっては、今後の米国の金融政策が、利下げ実現への重要な判断材料となります。

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