ユーロ圏の4月物価・3月雇用について
2019/05/08
<投資信託>
- 4月HICPは総合が前年同月比+1.7%、コアが同+1.2%と大きく加速も、特殊要因の可能性ありです。
- 3月失業率は7.7%と、金融危機後の最低水準を更新しました。独仏以外の国の低下が目立ちました。
- これまでの景気減速の影響でインフレ率は低位が続く一方、緩やかな雇用増加が続くと見込まれます。
低インフレ、雇用増加傾向続く
Eurostat(EU統計局)が3日発表した4月のHICP(統合消費者物価指数)の速報は、総合が前年同月比+1.7%(前月比+0.3)、コアが同+1.2%(同+0.4)でした。単月の動きとしては大きな加速となりました。全体の約44%のウエイトを占めるサービスが同+1.9%(同+0.8)とさらに大きな加速となったことが背景にあります。ただし、今回は外泊費、旅客サービスなど、変動の大きい品目がサービスを押し上げたと推察され、詳細は改定値の発表(5月17日)待ちです。
また、4月30日に発表された3月の失業率は7.7%でした。金融危機後の最低を更新し、2008年9月以来10年半ぶりの低水準です。ドイツ、フランスが横ばいとなった一方、イタリアが10.5%から10.2%、スペインが14.2%から14.0%、その他の周辺国もほとんどが低下しました。雇用者数は前月比-17.4万人と5ヵ月連続で減少しました。
インフレ率は、これまでの景気減速の影響から、引き続き金融当局のインフレ目標(+2%弱)を下回る一方、景気後退のリスクは小さく、雇用環境は緩やかに改善すると見込まれます。
景気持ち直しの兆候 vs 英国情勢の不透明感
日本の連休中、ユーロ相場は対ドル、対円双方とも小動きでした。相場を動かす材料に乏しかった一方、英国のEU(欧州連合)離脱をめぐる不透明感が払拭できず、ユーロ相場は頭を抑えられた形です。
一方、ユーロ圏の景気に持ち直しの兆候が出てきていることはユーロにとって追い風で、当面は英国の情勢と合わせ、上下に動きにくい展開が予想されます。
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