トルコの金融政策(4月)~政治リスク再燃の影響は?

2019/04/26
  1. 政策金利は24%で据え置きでした。インフレ率は緩やかな低下も、当面様子見が続くと見込まれます。
  2. トルコ経済は、高金利による需要抑制が奏功し始めていますが、政治リスクの拡大が懸念材料です。
  3. 通貨リラは、経済面では追い風が吹いていますが、相場反転には政治リスクの鎮静化が待たれます

中立スタンスへ

トルコ中央銀行(以下、中銀)は25日の金融政策委員会で、政策金利(1週間物レポ金利)を24%に据え置きました。3月のCPIが前年同月比+19.7%と前月比横ばいながら、コアは同+17.5%と低下が続き、高金利政策の効果待ちの段階と見られます。ただし、声明文の中の追加利上げ含みが削除され、中立スタンスとなりました。中銀のインフレ率予想(19年末で+14.6%、1月時点)に向けて順調に低下すれば、年内に小幅に利下げする可能性は依然としてあると思われます。

トルコ経済は、高金利の影響で厳しい局面が続いています。ただし、大幅利上げ前のインフレ率急上昇の原因となった、強すぎる内需を冷やす目的が果されつつあります。経常収支は一時黒字に転じるまで改善しました。その代り雇用環境は悪化し、失業率は1月で13.3%と約10年ぶりの高水準です。ただし、製造業PMIに見られるように、依然厳しいながら、18年9月の42.7を底に上昇に転じており、高金利の影響の浸透に応じて経済活動は正常化の方向をたどると思われます。

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経済外の逆風が強すぎる・・・

リラ相場は、経済面で追い風が吹いている一方、それを上回る政治リスクの拡大で弱含みが続き、25日は1リラ18円台に下落しました。18年10月以来の安値です。

3月末の統一地方選での与党劣勢によるエルドアン政権の求心力後退、ロシア製ミサイル導入をめぐる対米関係悪化、リラの防衛策に対する市場の失望感など、リラ相場の反転に向けては、これらのリスクの鎮静化が待たれるところです。

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