アムンディ・ヨーロッパ通信~景気減速で財政収支改善が一服

2019/04/26

景気と連動する財政収支

4月24日、EU統計局が発表した政府財政統計によると、18年10-12月期のユーロ圏の財政収支対名目GDP比は-1.0%(赤字)でした。2期連続の低下です。ユーロ圏の景気は17年後半をピークに減速に転じたことの影響が大きいと見られます。ユーロ圏では、財政収支対名目GDP比は実質GDP成長率に対して1年程度のラグ(遅れ)が認められ、1年間景気減速が続いたことが財政収支に影響したと考えられます。もっとも、長期的には財政収支の改善は続いており、すでに6年間財政黒字が続いているドイツを筆頭に、周辺国でも、ギリシャなど財政黒字に転じる国が出てきています。

景気拡大を持続させることが重要

風向きが変わった原因として、EU離脱をめぐる英政界の混乱が挙げられます。EUと距離を置き、国益優先の姿勢を採る政治姿勢は国論を分断、混乱させると、国民の不安感が増したと思われます。左派でもEU懐疑派のポデモスは支持率が低下、VOXも支持率上昇が一服するなど、2ヵ月前とは空気が大きく異なってきています。

現時点で、ユーロ圏の景気の先行きについては、19年後半には持ち直しに転じると予想しています。したがって、財政収支は20年後半には改善に転じると見込まれます。それを持続させるためには、景気拡大の持続が肝要と考えます。折しも、欧米金融当局が、世界的な景気減速を受けて金融政策正常化への取り組みを停止させたことは、財政収支改善に向けたグッドニュースといえます。

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