ECB理事会について~ユーロ相場の展望
- 政策金利を少なくとも年末まで現状維持、購入した資産の買い替えによる規模の維持を継続します。
- 景気に下向きリスクがあるとの認識、TLTROⅢの効果見極めなどから、低金利は長期化の公算大です。
- Brexitの再延期はひとまずユーロにプラス。年後半には景気持ち直しから底堅さを増すと見ています。
20年も相当期間低金利維持
10日、ECB(欧州中央銀行)は定例理事会を開き、政策金利とこれまでに購入した国債等の保有残高を維持することが決定されました。政策金利については、現行水準(0%)を少なくとも年末まで続けるとしています。
ECBは、前回理事会(3月7日)で、景気・物価見通しを下方修正したばかりです。今回はその見方を踏襲し、ユーロ圏経済の先行きについて、下押しのリスクがあることが示されました。地政学的リスクや米中貿易摩擦の激化による世界貿易の減速、企業の投資活動の委縮などが挙げられています。アムンディでは、少なくとも1年後の段階で利上げが実施されている可能性は低いと予想しています。加えて、前回理事会で実施を発表したTLTROⅢ(銀行貸出活性化を目的とした資金供給)の効果の見極めも必要なため、20年も相当期間低金利が続く可能性が高いと見ています。
Brexit延期はひとまずプラス
ユーロ相場は方向感のない展開です。世界的な景気減速を受け、先進国の金融政策が緩和方向に傾斜しており、金利面では、どの通貨が優位とは言いにくい状況になっています。
こうした中、特別欧州理事会で、Brexit(英国のEU〔欧州連合〕離脱)を10月末まで延期することが合意されたことは、合意なき離脱で経済活動が混乱することを回避したということで、ひとまずユーロにはプラスに働くと思われます。
今後、ユーロが持ち直すとの見方は維持します。政治面では、Brexitが再延期されたことで、秩序だった離脱の可能性が高まったことが挙げられます。また、景気面では、ECBが緩和に傾斜したことが結果的にはプラスに働き、年後半には幾分景気が持ち直すと予想されます。一部の景況感指標にもその兆しが見られ、ユーロは次第に底堅さを増していくと考えます。
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