3月の米国景況感指標について~年内の景気と米ドル相場は?
2019/04/04
<投資信託>
- 米企業の景況感は、米中貿易摩擦の影響もありピークアウト感が出ていますが、水準自体は高いです。
- 業況拡大を示す業種は依然として圧倒的に多いものの、全体的に勢いが鈍化したものと見られます。
- 年前半の景気減速傾向で、金融政策は実質的な緩和姿勢が続けられ、米ドルはもみ合うと考えます。
幅広い業種で業況拡大の勢いが鈍化か
ISM(全米供給管理協会)が発表した3月の製造業PMI、非製造業NMIは、それぞれ前月比+1.1の55.3、同-3.6の56.1でした。双方ちぐはぐな動きですが。18年の夏場をピークに、景況感はやや下向きです。水準自体はまだ高いです。
製造業・非製造業の業種別景況感では、主要36業種中32業種が拡大(○)です。18年夏場も32~33業種でしたが、PMI、NMIは低下しています。これは、業況拡大としながらも、かなり幅広い業種で、当時よりも業況拡大の勢いが落ちているためではないかと思われます。
企業活動の一端である鉱工業生産指数を見ると、18年11月をピークに3ヵ月間は伸び悩んでいます。これが非製造業の業況にも影響してきたとみられます。鉱工業生産の伸び悩みは、機械、化学、一次金属、自動車・同部品などが足を引っ張っており、対中輸出の減少(18年秋以降、前年同月比-30%前後)の影響があるとみられます。
ドルは年前半もみ合い
アトランタ連銀発表のGDP Now※によると、19年1-3月期の実質GDP成長率推計値は前期比年率+2.1%(4月2日時点)です。2月に発表された指標が弱く、一時同+0.2%まで低下しましたが、3月に入って各経済指標に改善が見られ、回復しました。それでも、今のところ成長ペースは、前期並みか減速が予想されています。
19年の米国経済は、これまでの利上げの景気抑制効果、世界貿易の伸び悩み等から、年前半は減速傾向が続くと見込まれます。一方、欧米金融当局が実質的な金融緩和(利上げ休止、量的引き締め停止等)に転じたことから、その後の景気は下支えられると予想しています。当面、先進国間の金利差の変化が期待しにくくなったことで、ドル・円相場はもみ合うと考えます。
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