最近のトルコリラ相場乱高下について
2019/03/29
<投資信託>
- トルコリラ相場が乱高下しています。一部市場参加者の悲観的な見方がきっかけとなったもようです。
- 規模が小さい新興国通貨市場で取引が集中したこと、トルコ側の対応が動きを大きくしたと見られます。
- 大幅利上げが奏功して経済は安定に向かいつつあり、リラの一方的な下落は抑えられると考えます。
為替取引制限の反動が資本市場に噴出
トルコリラ相場が乱高下しています。対ドル相場(NY終値)は22日、前日の1ドル5.4リラ台から5.7リラ台へ5%強下落、2日後の26日には5.3リラ台へ8%強上昇しました。28日は5.56リラと急落前に対して1.7%下落した水準にあります。一部の市場参加者が、31日に実施される地方選挙を控え、リラ相場下支えのために外貨準備を流用しているのではないかと推察し、外貨バランスの不安定性を指摘したことがきっかけとなったもようです。
リラ急落に対してトルコ当局側は、金融市場でのリラの調達を制限する防衛策を実施しました。しかし、資本市場で株価が下落、長期金利が急上昇(債券価格急落)し、投資家の不安心理が増幅し、リラ相場の動きを大きくしたとみられます。トルコの金融・資本市場は原則自由であるため、一部の取引に制限を加えると、市場全体のバランスを崩す代表例と考えます。また、エルドアン大統領が感情的なコメントを出したことも、トルコの政治リスクを思い出させ、市場心理を冷え込ませた面もあると思われます。
安定方向にある経済がリラを下支え
トルコ経済は、昨年後半の大幅利上げによる需要抑制によって、高騰したインフレ率が低下方向にあり、大きく落ち込んだ企業の景況感も、依然厳しいながら改善方向にあります。
足元は景気後退期入りで厳しい情勢ですが、インフレ加速の原因となった過剰需要はコントロールされつつあります。年後半にはさらなるインフレ率低下と景気の底打ちで、リラは下支えられると考えています。なお、他の新興国通貨市場にも動揺が広がっていますが、トルコの経済情勢に照らすと、混乱が長引く可能性は高くないと考えます。
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