ユーロ圏の3月景況感について
- ユーロ圏の3月景況感指標は、製造業の不調が続いたものの、全体的には底堅さが見られました。
- ifo指数は内需系産業が底堅く小幅上昇したほか、景気全般の先行きには一部明るさも見られました。
- 年後半に景気は持ち直すと見込まれます。金利先高観も再燃し、ユーロ相場は底上げされると考えます。
製造業以外は明るさ増す
ユーロ圏の3月景況感は依然として弱さが見られるものの、全体的には底堅さが見られました。22日にIHSMarkitが発表したPMI(総合)は、前月比-0.6の51.3でした。うち、製造業が同-1.7の47.6と製造業の景況感悪化が止まらない状況でした。また、サービス業は同-0.1の52.7と前月の大幅上昇から一服しました。内需系の産業の景況感が底堅いことは変わりありません。
また、25日にCESifoが発表したドイツ企業景況感指数(ifo指数)は、前月比+0.9の99.6(15年=100)でした。上昇は7ヵ月ぶりです。現況指数(同+0.2、103.8)、期待指数(同+1.6、95.6)と双方とも上昇し、特に先行きに対する見方に明るさが見られました。業種別指数では、製造業以外は前月比上昇しました。この他、ZEW指数※(期待)は同+14.1の-2.5、センティックス経済信頼感指数☆(ユーロ圏、総合)は同+1.5の-2.2となり、2月時点よりも良い指標が増えました。
※ZEW指数:ドイツの調査機関ZEW(欧州経済研究センター)がアナリスト、機関投資家、市場関係者に対するアンケート調査を基に算出
☆センティックス経済信頼感指数(本文では「指数」に省略):ドイツの調査会社センティックス社が個人投資家、機関投資家に対するアンケート調査を基に算出
ユーロ相場は「底練り」の段階
ユーロ相場は、景況感悪化と金融政策正常化の見合わせを受け、対ドルでは年初からジリジリ水準を切り下げています。英国のEU(欧州連合)離脱が迷走していることも、一部影響していると見られます。
景況感指標に明るい部分が垣間見えたのに加え、欧米金融当局双方が景気重視のスタンスに変化したため、年後半の経済成長ペースは潜在成長率(年率+1%台前半)を超え、持ち直してくる可能性が高まったと考えます(18年後半は前期比年率+0.7%)。金利先高観の再燃も期待され、ユーロ相場は底上げされると考えます。現在は、その前の「底練り(安値水準を上下する動き)」の段階にあると見られます。
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