豪州の18年10-12月期GDP~豪ドル相場の展望
- 実質GDPは前期比年率+0.7%と減速しました。個人消費が底堅い一方、住宅投資と輸出が不調でした。
- RBAは今後、+2%台後半の成長を予想しています。昨年後半の+3%程度から下方修正されています。
- 米豪双方の金融政策スタンスが緩和気味に変化しており、豪ドル相場は方向性を見極める段階です。
消費と投資とで明暗
本日、オーストラリア(豪州)統計局が発表した18年10-12月期の実質GDPは、前期比年率+0.7%でした。豪州経済は18年前半が好調であったのに対し、後半は大きく減速しました。
実質GDP成長率(前期比年率)に対する寄与度は最終消費が+1.9%、固定資本投資が-1.1%、在庫投資が+0.6%、純輸出(輸出-輸入)が-0.7%でした。消費は個人、政府共に底堅く、景気を下支えしました。固定資本投資は、特に住宅投資が不振でした。住宅市況低迷が投資マインドを冷やしたと見られます。純輸出は、輸出の減少(前期比年率-2.6%)が押し下げました。主要国の景気減速が影響したと見られます。
RBA(豪準備銀行)は、前月発表した金融政策報告書で、19年の実質GDP成長率を+2.75%としています。昨年後半では+3%程度としていたため、下方修正したことになります。インフレ率が目標(+2~3%)を早期に達成する公算は小さいとし、低金利の維持が適当と判断しています。
米豪の金融政策から豪ドルの相対水準を見極め
豪ドル相場は、米金利上昇を受けて昨年は対米ドルで弱含みが続いていましたが、米利上げの打ち止めが現実味を帯びてきたことで、18年末頃を底にやや持ち直しています。しかし、米金利が低下に転じたことが、必ずしも本格的な豪ドル高につながっておらず、2月以降は上昇が抑えられています。
FRB(米連邦準備理事会)が、利上げ休止と連銀総資産削減の停止を示唆したことは米ドル安要因といえます。しかし、RBAも、景気減速から利上げのメドを先送りしており、市場では今年のみならず、来年も利上げは難しいと見る向きも出てきています。これは豪ドル安要因です。したがって、現在は双方の金融政策スタンスから、豪ドルの相対水準を見極める局面と見られ、もみ合う展開が見込まれます。
アムンディ・マーケットレポートはこちら
アムンディ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第350号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人 第二種金融商品取引業協会