国内株市場の戻り継続は続くのか?
今週の国内株市場ですが、日経平均が先週末の15,000円台割れから一転、反発する動きを見せています。原油安や円高進行の一服をはじめ、春節明けの中国株市場が波乱の再開にならなかったことなど、年初からのリスク要因とされてきた「原油安・円高・中国」がひとまず落ち着きを見せていることが背景となっているようです。2月18日(木)の日経平均も16,000円台を回復して取引がスタートしましたが、このまま順調に相場の戻り基調は続くのでしょうか?
まずは株価反発の大きな要因となった原油価格についてですが、サウジアラビアやロシアなどの産油4カ国が原油増産の凍結で合意し、さらにそれに対してイランが歓迎の意を示したことが材料視されて上昇しました。ただし、あくまでも増産の凍結であって減産ではないですし、また、仮に今後減産の方向に事態が進んでも、米国のシェールオイル企業が増産する可能性もあるため、原油安を期待したポジションの巻き戻しが一巡した後も原油価格の上昇が継続するのかは微妙なところです。
また、中国については引続き人民元レートが注目され、毎営業日公表される基準値をにらみつつ、今月下旬のG20中銀総裁・財務相会合(上海で開催され、中国が議長国です)や、3月の全人代待ちとなります。そのため、しばらくは様子見で「チャイナショック」はなさそうです。ただし、今週になって中国軍が南シナ海上の島に地対空ミサイルを配備したことが報じられました。先日のASEAN首脳会議で関係諸国に自制を呼び掛けたばかりだったというタイミングの悪さもあり、地政学的緊張の高まりには注意が必要です。
そして、為替の円高については、米国の利上げ動向がカギを握りますが、今週公表されたFOMC議事録でも、景気減速のリスクが拡大していると認識しているメンバーが多く、次回(3月)のFOMCで加利上げが見送られる観測が強まる内容だったと言えます。見送り観測の高まりによって、米国や新興国など海外株市場にとってはプラスに働きますが、一方の日本株市場にとっては円安シナリオが遠のき、海外株市場に比べて株価の戻りが出遅れる可能性もありそうです。
最後にテクニカル分析の視点でも捉えて見ます。昨年12月あたまから始まった下落相場ですが、日足チャートで確認してみますと、下落局面は(1)12月中旬まで、(2)1月中旬まで、(3)2月中旬までの3段階に分けられ、いわゆる「3段高下の法則」が当てはまっている状況です。そのため、先週末に下げの最終局面を通過し、下落トレンドは終了したと考えることができます。とはいえ、日経平均が約5,000円という下げ幅だったこともあり、下落トレンドの終了がそのまま上昇トレンドの始まりに転じる確率は高くなく、しばらくもみ合いながら値固めしていくというのがメインシナリオとなりそうです。
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