中国株はこのまま戻り基調を保てるのか?

2015/07/24

ここのところずっとウォッチしている中国株市場ですが、今週21日(火)の上海総合指数は4,017ポイントで終えました。節目となる4,000ポイント台を回復したほか、直近の急落(6月12日~7月8日)の下げ幅(1,671ポイント)の約3割を戻した格好です。中国株市場は急落の不安ムードが落ち着いた印象ですが、このまま戻り基調は続くのでしょうか?

急落する前、上海総合指数は6月12日の高値(5,178ポイント)まで駆け上がったわけですが、その原動力になったのは、政策への期待と、信用取引拡大によるレバレッジです。

政策期待については、「5中全会」が10月に開催する予定という報道が20日(月)に報じられ、足元の買い材料となっています。5中全会というのは、正式には「第18期中国共産党中央委員会第5回全体会議」といって、ちょっと長い名前なのですが、簡単に言ってしまうと、政権を担っている中国共産党の中心メンバーが集まる会議のことです。

何となく、「重要な事が決まりそうな会議」であることは容易に想像がつきますが、実際にその通りで、今回の5中全会では、次の5カ年計画(2016年~2020年)が策定されます。2013年に国家主席に就任した習近平氏にとっては、自分が中心となって決める初の計画になるわけです。

これまで、習近平政権のキーワードとして、「新常態(ニューノーマル)」や「一帯一路(陸と海のシルクロード構想)」などが挙げられますが、5中全会を期に具体的な政策が動き出す可能性があり、インフラなど関連銘柄が物色され、会議が開催される10月までに上海総合指数が5,000ポイント台まで回復するとの見方もあるようです。

ただし、信用取引によるレバレッジ拡大については、直近の株価急落で受けたダメージが大きいほか、前回でも触れた「場外配資」経由の信用取引に対する規制も強化されると思われ、中国株取引の8割を占めると言われる個人投資家の投資マインドが回復し、再びレバレッジをかけてリスクをとるまでにはかなりの時間が必要になりそうです。

そのため、政策面においては今後も期待感が持続しそうな一方、レバレッジのリスク許容度については回復までの時間が掛かりそうなため、このままの勢いで株価が急落前の水準まで戻すのは難しいと思われます。しかも、20日(月)の上海総合指数は、当局が一連の株価対策の撤退を検討しているのではという観測を受けて下落した後、当局がこれを否定したことで上昇に転じるという動きを見せており、まだまだ中国株市場には「株価対策頼み」の面が残っています。

今回の中国株急落が実体経済にどこまで影響を与えているのかは、経済指標をはじめ、中国企業もしくは中国でのビジネスの関わりが深い外国企業の決算などをにらみつつ、これから見極めていく段階でもあるため、安心感が広がるまでは株価の戻りも限定的というのがメインシナリオになりそうです。

 

 

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