Fブラザーズ<3454> 自己勘定による賃貸不動産投資ビジネスへの移行が加速
独立系不動産私募ファンド運営会社
自己勘定による賃貸不動産投資ビジネスへの移行が加速
業種:不動産業
アナリスト:大間知 淳
◆ 不動産の投資運用事業と自己勘定投資等の投資銀行事業を兼営
・ファーストブラザーズ(以下、同社)は、機関投資家に対して私募ファンド の形式で不動産ファンドの運用サービスを提供するほか(投資運用事 業)、自己資金の運用と顧客に対する各種金融アドバイザリーサービス (投資銀行事業)を手掛けている不動産関連企業である。
◆ 16 年 11 月期決算は 220.5%増収、40.0%営業増益
・16/11 期決算は、220.5%増収、40.0%営業増益であった。運用残高が急 減した投資運用事業の売上総利益は減少したものの、自己勘定で保有 する不動産の売却と賃貸による利益が膨らんだ投資銀行事業の売上総 利益が急拡大し、会社計画を大幅に上回る好決算となった。
◆ 17 年 11 月期の会社計画は 23.7%増収 3.6%営業増益
・17/11 期について同社は、投資銀行事業における不動産の売却益の増 加により、23.7%増収 3.6%営業増益を予想している。
・証券リサーチセンターは、自己勘定で保有する賃貸不動産の売却益を 中心に 17/11 期の業績予想を見直し、売上高は 12,828 百万円→18,664 百万円(前期比 27.8%増)に、営業利益は 3,284 百万円→4,194 百万円 (同 5.8%増)に増額修正した。
◆ 自己勘定による賃貸不動産投資ビジネスへの移行が加速
・同社はファンド向け不動産物件の市況が高値圏にあるとの認識から、フ ァンドでは物件の売却を進める一方で、取得時の競合が少ない、概ね30 億円未満の賃貸不動産への自己勘定投資を積極化させており、収益構 造を機動的に変化させることに成功した。
・一方、中期的な経営戦略の柱の一つであるベンチャー企業投資などの 新規分野の展開については、利益貢献が極めて小さいだけでなく、投資 残高自体が積み上がっておらず、今後の取り組みに期待したい。