ハイアス・アンド・カンパニー<6192> 会員の工務店等とともに、消費者が抱える住宅の資産価値毀損という課題に挑む
住関連産業に特化したソリューションを BtoBtoC 型のビジネスモデルで提供
会員の工務店等とともに、消費者が抱える住宅の資産価値毀損という課題に挑む
業種:サービス業
アナリスト:藤野敬太
1.会社概要
・ハイアス・アンド・カンパニー(以下、同社)は、住関連産業に特化したソリ ューションをパッケージ商材として提供する。最終消費者に直接の接点 を持つ中小事業者(工務店や不動産業者等)に提供するという BtoBtoC 型のビジネスモデルが特徴である。
2.財務面の分析
・11/4 期以降の売上高は、5 期連続の増収で、年平均 17.9%のペースで 拡大してきた。この期間、基本的には増益基調だったが、消費税率引き 上げの影響と上場に向けての体制整備の費用増で、15/4 期だけは減益 を経験した。
・業界特化型のソリューションを、BtoBtoC 型のビジネスモデルで提供する 企業との比較では、商材または業界の違いから、収益性、成長性とも、 特段の優位性は確認できない。
3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、創業来一貫して、「住宅の資産価値の毀損」 という課題に着目してきたことにある。この課題を解消する商材・パッケー ジの開発を通じて、開発のプロセスやノウハウが確立し、商材が増加して いった。顧客も商材ごとに会員組織化していき、顧客拡大だけでなく、顧 客から得られた情報を新たな開発に活かすという好循環につながってい った。
4.経営戦略の分析
・対処すべき課題には、新商材の開発力の更なる強化、会員企業の事業 の活性化、ブランディングの強化が挙げられる。
・既存商材での深掘りのほか、既存の会員企業への支援の強化を通じた クロスセルを図っていく。また、新商材はコンスタントに開発・投入していく が、中長期的には、住宅だけでなく、住宅の周辺領域に関する商材の開 発も目指していく。
5.アナリストの評価
・「住宅資産の価値の毀損」というテーマに挑んだのが成長の原点で、商 材を開発する仕組みと商材ごとの会員組織が競争力の源泉である。一 方、今後のブランディング強化を考えると、会員企業間の質やモチベー ションのばらつきを抑える必要が生じる可能性には留意しておきたい。