AlbaLink(5537)相続で取得した空き家の処分ニーズなどを追い風に業績は急拡大中
「訳あり物件」や空き家を買い取って個人投資家に再販する不動産会社
相続で取得した空き家の処分ニーズなどを追い風に業績は急拡大中
業種:不動産業
アナリスト:村木雄一
◆ 「訳あり物件」や空き家を買い取って個人投資家に再販
AlbaLink(以下、同社)は、流動性の低い地方の空き家をはじめとする様々な不動産を買い取って市場に流通させる、買取再販事業を展開している。11年1月に賃貸用不動産仲介業を目的として設立されたが、19年5月に現代表取締役の河田憲二氏と元共同代表の内木場隼氏が全株式を取得し、同時に不動産買取再販に事業内容を変更した。
同社最大の特徴は、取り扱う物件の多くが瑕疵を持つ物件であることである(図表1)。同社は瑕疵のある物件を「訳あり物件」として取り扱っている。「訳あり物件」は瑕疵の解決に時間がかかる一方で取引価格が低く、得られる収入が必要な経費と見合わないため、一般的な不動産会社や仲介業者は取り扱いを避ける傾向がある。
同社の売上高は業務の内容別に2つに区分されている(図表2)。
(1)不動産売買事業
全国の、「訳あり物件」を同社が買い取って、転売する事業である。なお、基本的に同社は買い取った不動産のリフォーム等を行わず、「訳あり」の状態のままで売却している。具体的な活動内容としては、マーケティング、仕入れ、販売の3段階からなる。
マーケティングについては、同社では①テレビCMなどのマスメディアマーケティング、②Webマーケティング、③支店周辺での広告や相談会の開催などのオフラインマーケティング、④自治体連携といった手段を用いている。このうち、主要な集客ルートがWebマーケティングであり、同社は自社のコーポレートサイトを含めると5つの不動産投資情報サイトを運営している(図表3)。
仕入れは、物件売却を希望する顧客の問い合わせを受けることから始まる。営業担当者が当該物件の状況、瑕疵、登記情報などを取得し、その他各種データを総合的に検討して顧客に査定価格を提示する。顧客が同社の査定価格に合意した後、同社と売買契約を締結する。
同社が買い取っている「訳あり物件」は、木造の戸建て住宅が中心であり、老朽化に伴う物理的瑕疵を持つものが圧倒的に多く、次いで多いのが再建築不可という法律的瑕疵を持つものとなっている。なお、24/12期における販売件数は1,280件、1件当たりの販売額は381万円だった。
販売は、同社が運営するWebメディア「不動産投資の森」を通じて接点のある約6,400名の不動産投資家に対する情報提供を出発点としている。加えて、外部不動産ポータルサイトへの掲載を通じて同社と接点のない層にも広く情報提供を行い、問い合わせのあった投資家に対して同社の営業担当者がアプローチしている。
同社の顧客が「訳あり物件」を購入する主な目的は、物件購入後にリフォームを施すなどして賃料収入を得ることで、短期転売を目的とする顧客は比較的少ない。顧客の属性は、物件の金額規模が小さいということもあり、30~40代の会社員が多くなっている。購入した空き家に自らリフォーム等を行って収益を得られるように仕立てる力があるという意味では、副業として不動産投資を行うセミプロ的な個人投資家と表現することもできよう。そのほか、同業他社などにも販売を行っている。なお、23/12期、24/12期において、全社売上高の10%以上を占める大口顧客は存在しなかった。
(2)その他不動産関連事業
売却希望物件として同社に持ち込まれたものの、建物の状態などから買取が難しい物件も存在する。物件の保有者が「お金を払ってでもいいから手放したい」と要望した際に、同社がコンサルティング契約を締結し物件売却に向けた情報提供や助言を行い、対価を得ている。なお、ほとんどの場合、最終的に顧客との合意の下、同社が実質的に無償で物件を引き取っているため、有料引取取引に近い性格を持つ。
コンサルティングは不動産保有者から物件を引き取ることがほとんどであるため、コンサルティング料は、同社が引き取った不動産を外部に売却した時点で初めて売上高として計上される。なお、コンサルティングには基本的に原価を伴わないため、収益性が高い。
同社が物件を引き取った場合、元の物件保有者はコンサルティング料を同社に支払った上で所有権を失うことになるが、代わりに物件管理や固定資産税など保有に伴う各種負担からは解放される注1。なお、コンサルティング料は固定ではなく、同社が最終的に物件を引き取ることになった場合に転売可能と見込む値段を元に決まるため、売りにくいと見込まれる物件ほど高くなる傾向がある。
コンサルティング料の他、同社が自社保有する物件の賃料収入や、仲介取引を行った際の手数料収入も売上高に計上されているが、少額である。

