L is B(145A) 連携するチャットボットで現場の業務の自動化・効率化を実現

2024/03/29

建設、流通小売、運輸など現場を持つ会社を支えるビジネスチャットを提供
連携するチャットボットで現場の業務の自動化・効率化を実現

業種:情報・通信業
アナリスト:髙木伸行

◆ 現場を持つ企業の課題をDXで解決
L is B(以下、同社)の社名は「Life is Beautiful」を由来としており、働く人々の人生の彩り・潤いになるサービスを提供したいという想いから名付けられた。

同社は、建設業、流通小売業、運輸・交通業などの現場での課題をDXによって解決するデジタルサービスをSaaS形態で提供している。デスクを持たず業務を立って行い、普段はPCを使わない人々を主な対象としている。

同社の主力サービスは現場向けビジネスチャット「direct」であるが、「direct」と連動して稼働するサービスも提供している。これらのサービスの対価を月額利用料(ストック売上高)というかたちで受け取っている(図表1)。また、「direct」の利用者からの業務効率化の要望に応えるコンサルティングの提供やオリジナルソリューションの開発も行っている(プロフェッショナルサービスその他)。

◆ 現場のビジネスチャット「direct」
業務連絡や報告を円滑に行うためには、チャットサービスは全ての人が使いこなせる必要がある。特に現場で働く人たちのITリテラシーは様々であることから、「direct」はスマートフォンを操作できる人であれば直感的に操作できるユーザーインターフェースを指向して開発されている。

「direct」のユーザーは大手建設業や自治体が中心である。約6割を建設業が占め、建設業界の売上高上位20社中、16社に採用されている。また、一部署での利用を含めると1,400弱の自治体で利用されている。

「direct」を14年10月にリリースして以降、「direct」と連動して稼働するサービスとして、16年10月に働き方改革支援ソリューション「direct Smart Working Solution」、17年1月にチャットボットレンタルサービス「direct bot RENTAL」、18年7月にはユーザーの思考に合わせて進化するFAQソリューション「AI‐FAQボット」、22年4月にはタスク管理、スケジュール管理、掲示板といった機能(後に日程調整を追加)を搭載した「direct Apps」を次々とリリースしてきた(図表2)。

また、22年7月にはDXコンサルティングサービスを開始し、コンサルティングや「direct」などと連携した個社別のオリジナルソリューションの設計開発も行っている。

「direct」の販売形態は同社から利用者への直接販売、販売パートナー経由の販売、OEMパートナーに対して相手先のブランドで提供するという3つがある。

主要販売先のひとつであるインターネットイニシアティブ(3774東証プライム)は、同社の販売パートナーである(図表3)。22/12期以降は売上割合が1割を切っているため、売上金額が開示されていないが、足元でも一定の売上高があるとのことである。

OEMパートナーとしては、チェンジホールディングス(3962東証プライム)傘下のトラストバンク、信金中央金庫(8421東証)等が挙げられる。トラストバンクは足元では同社の売上高の約4分の1を占めている。

トラストバンクは総合行政ネットワーク「LGWAN(Local Government Wide Area Network)」で使える自治体向けチャットサービス「LoGoチャット」を展開している。信金中央金庫は信用金庫及び取引先のDX支援として信用金庫とその顧客との間の非対面コミュニケーションを可能にする「しんきんdirect」を提供している。

OEMサービスについては、レベニューシェアによりID数に応じた利用料の一部、システム開発料の一部、運用に係る業務委託料を相手先から受け取っている。

>>続きはこちら(1,2MB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。