田中建設工業(1450) 26年3月期までの新たな中期経営計画の要諦である人員増強の進捗に注視

2023/08/18

民間の建築物の解体工事の施工管理に特化した建設会社
26年3月期までの新たな中期経営計画の要諦である人員増強の進捗に注視

業種:建設業
アナリスト:藤野敬太

◆ 会社概要
・田中建設工業(以下、同社)は、一都三県を中心に展開する、建築構造物の解体工事の施工管理に特化した「持たざる経営」をする建設会社である。解体の対象はビルや集合住宅、商業施設等が中心である。

◆ 23年3月期決算
・23/3期決算は、売上高11,246百万円(前期比14.5%増)、営業利益1,560百万円(同10.1%増)、受注高12,082百万円(同21.5%増)となった。これまでの営業力強化策が奏功して新規受注高が増加し、初めて売上高が100億円を超えた。一方、一部大型案件での原価増があり、23年2月に上方修正された会社計画を売上高、利益とも下回った。

◆ 24年3月期業績予想
・24/3期業績について、同社は、売上高12,000百万円(前期比6.7%増)、営業利益1,385百万円(同11.2%減)を計画している。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、24/3期の業績予想を、売上高12,069百万円(前期比7.3%増)、営業利益1,377百万円(同11.7%減)と会社計画並みとした。堅調な需要環境が続くことを前提に増収を見込んだ。一方、前期の原価増案件の影響がなくなることによる売上総利益率改善を見込むが、体制強化のための本社移転費用や人件費の増加を想定し、減益計画で予想した。

◆ 今後の注目点
・当センターでは、25/3期は前期比8.0%増収、26/3期は同7.6%増収となり、売上高営業利益率は25/3期以降12%台で推移していくと予想した。
・2期前倒しで前中期計画の売上高を超過した同社は、26/3期に売上高140億円、営業利益17億円を目標とする中期計画を新たに策定した。中期経営計画の要諦は施工管理者を始めとする人員の増強にある。前中期計画では人員の増強が達成できていなかったことから、当センターでは採用計画、人員の戦力化の進捗に引き続き注視している。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。