ライトワークス<4267> オンライン英会話サービスもクラウドで提供

◆ 人材管理プラットフォームとオンライン英会話サービスを提供
ライトワークス（以下、同社）グループは、同社、来宜信息科技（上海）、並びにライトエデュケーションで構成されている。同社は国内大手・中堅企業の人事部向けに100%子会社の来宜信息科技（上海）は中国及びアジアの日系企業人事部向けにクラウドによるヒューマン・キャピタル・マネジメント（HCM）プラットフォームサービスを提供している。同社が93.7%を出資するライトエデュケーションは、教育関連企業、学校、学習塾及び一般消費者向けに学習管理プラットフォームやオンライン英会話サービスを提供している。

同社グループのサービスは、「HCMプラットフォーム提供サービス（以下、HCMプラットフォーム）」と「HCMクラウドを活用したオンライン英会話サービス（以下、オンライン英会話サービス）」で構成されている（図表1）。HCMプラットフォームは総売上高の約7割、オンライン英会話サービスは約3割を占めているが、英語教育の制度改革を受けてオンライン英会話サービスの売上構成比が上昇傾向にある。

（1）HCMプラットフォーム提供サービス
個人の能力・パフォーマンスの向上を目的とする教育、訓練、資格取得支援などの諸施策をインターネットを活用して実施することにより、個人と組織の目標達成を目指すHCMサービスのプラットフォーム「CAREERSHIP」を提供している。大企業をターゲットにしており、国内顧客の半数が売上高1,000億円以上の企業であるが、売上規模がそれより小さい中堅企業にも導入が進んでいる。契約社数は20/1期末182社、21/1期末223社、22/1期上半期末266社となり、登録ID数も順調に拡大している（図表2）。

CAREERSHIPの主要機能としては、eラーニング配信、アンケート・レポート配信、大規模学習管理、集合研修管理、キャリア管理やスキル管理といったものが挙げられる。課金額はID数と利用機能数により決定される。スポット案件もあるが、契約期間は1年、3年、5年に分かれており、平均すると3年弱程度とのことである。継続利用率が高く（21/1期98.4%）、利用期間は長期化する傾向にありストック型ビジネスといえる。

また、CAREERSHIPは業務知識をはじめとした様々な学習教材の配信先を限定したり、誰がどのように管理するかといった管理権限を設定することが可能で、細かい利用場面を想定していることから複雑な組織にも対応できる。従業員一人一人のキャリアや学習履歴を可視化する機能やスキルを体系化して管理できる機能などもある。また、他の人事システムとも連携することによりユーザー情報や組織情報をいつでも最新の状態に自動更新できるといった機能がある。

同社のCAREERSHIPのクラウドサービスは専任チームがサポートしており、顧客から依頼された汎用及びカスタムコンテンツを国内に加えて中国の拠点で制作する体制を整えている。

教育分野向けとして、ライトエデュケーションが大企業向け人材管理プラットフォームで培ったノウハウを活用して小中高生向けの学習管理プラットフォームを学習塾に提供している。学研ホールディングス（9470東証一部）傘下企業との協業により、CAREERSHIPを活用することによってITシステムによる講師管理、生徒管理、在宅授業などの学習塾のDXを実現する学習管理プラットフォームを提供している。

（2）HCMクラウドを活用したオンライン英会話サービス
学習管理プラットフォームを有効活用できるコンテンツとして、学習塾向けには「OLECO」、個人向けには「クラウティ」、学校向けには「学研のオンライン英会話サービスfor school」というブランドでオンライン英会話サービスを提供している。

オンライン英会話サービスの学習塾向け販売は主に販売代理店であるスタディラボ（東京都文京区）とその関係会社であるエデュライン経由で行っている。両社とも同社の子会社の元取締役が経営している。21/1期の両社に対する売上割合は全売上高の23.0%、オンライン英会話サービス売上高の79.7%と高い水準にある。最終顧客は学習塾などの法人が主で、4月からの新年度に向けて前年の11月から12月ごろには、必要な席数が提示されることから、同社は期首の時点で売上高を高い確度で見積もることが可能で、売上高はID数に応じて決まる。

教材については、ライトエデュケーションに6.3%を出資している学研プラスなどが提供しており、英語講師はすべてフィリピン人で約600名が稼働している。英語講師は複数のフィリピンの英会話講師センターに外注しており、講師料はフィリピンペソ建てで支払われている。

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