i-plug<4177> OfferBox、及び適性検査サービスeF-1Gを提供
求人企業が学生に採用をアプローチする新卒ダイレクトリクルーティングサービス
OfferBox、及び適性検査サービスeF-1Gを提供
業種: 情報・通信業
アナリスト: 鎌田 良彦
◆ 新卒ダイレクトリクルーティングサービスと適性検査サービスを提供
i-plug(以下、同社)グループは、インターネット上のプラットフォームとして,プロフィール情報を登録した就職希望の学生と説明会や面談等の機会を提供する求人企業とのマッチングを行っている。企業から採用の報酬を得る新卒ダイレクトリクルーティングサービスOfferBox(オファーボックス)の運営と学生や就業者を対象とする適性検査サービスeF-1G(エフワンジー)の提供を行っている。同社グループは、OfferBoxを運営する同社とeF-1Gを手掛ける連結子会社のイー・ファルコンから構成されている。
同社の事業セグメントはHR注1プラットフォーム事業の単一セグメントであるが、個別サービス別の売上高を開示している(図表1)。
◆ OfferBox
ダイレクトリクルーティングサービスでは、求人企業は学生からの入社希望エントリーを待たずに自社の採用基準を満たす学生に直接アプローチすることが可能になる。学生にとっては、従来知らなかった企業からのオファーを受けることで、就職先の選択肢を増やすことができる。
現在、新卒学生の採用活動については、政府が定める指針(3年生の3月1日以降に広報活動開始、4年生の6月1日以降に採用選考開始、4年生の10月以降に正式内定日を設定)がある。一方、この指針には法的拘束力はなく、3年生の4月頃よりインターンシップの実施等で、より前倒しのスケジュールで新卒採用活動を行う企業も多い。
こうした状況に対し、同社ではOfferBoxについて2つの料金プランを設定している(図表2)。1つ目は、政府の指針に沿って3月1日の採用広報解禁日からオファー送信ができ、入社合意に達した時点で1名当たり38万円の料金を企業から受け取る成功報酬型の料金プランである。同プランでは、利用料はかからず、入社時までに学生が内定を辞退した場合には成功報酬料金を返金する契約になっており、企業側の導入へのハードルを下げることを目指したプランとなっている。
2つ目は、3年次学生のインターンシップへの参加促進等、3月の採用広報解禁日前からオファー送信ができる早期定額型の料金プランである。同プランでは早期のオファー送信をするための利用料金と採用予定人数に基づく採用枠料金を契約時に一括で企業から受け取る。例えば3名採用枠の場合で75万円となり、内訳は利用料金が10万円×3名で30万円、採用枠料
金が15 万円×3 名で45 万円となる。この一括で受け取った料金は、採用枠 に達しなかったり、内定辞退者が出た場合でも返金する必要がない。企業 にとっては返金がない代わりに採用単価が抑えられ、最長2 年間の長期間 サービスが利用できることから、成功報酬型で成果を得た企業が次年度以 降に採用するケースが多い。
早期定額型では、利用料金は契約時から3 年生3 月の採用広報解禁日まで、採用枠料金は契約時から学生卒業の3 月までそれぞれ均等に売上計上されるため、売上高の安定に寄与する。また、前払いで料金を受け取るため、キャッシュ・フロー上のメリットもある。
早期定額型では、早期オファーの利用料金(3 名採用枠で30 万円)のみの契約も可能だが、その場合、1 名採用するごとに38 万円の成功報酬を同社に支払わなければならない。また、利用料金と採用枠料金を一括で支払った場合でも、当初の採用枠を上回って採用した場合、1 名超過ごとに38 万円の成功報酬の支払いが必要になる。超過分の成功報酬については内定辞退の場合には返金される。
◆ eF-1G
eF-1G は、適性検査の測定項目数が194 個と多く、ストレス耐性や継続力、変わりにくい気質等幅広い範囲のデータを確認することができる。また、企業が自社従業員の適性検査結果を分析することで、個々の企業で活躍し定着する人材の要件を見極めることが可能になる。
eF-1G は20/3 期からOfferBox に標準搭載され、就職希望の学生や、求人企業の従業員も30 名まで無料で適性検査を受けることができる他、企業への販売を行っている。