MITホールディングス<4016> ソリューションサービスを提供

2020/11/27

システムインテグレーションサービスとデジタルブック、CAD、顔認証などの
ソリューションサービスを提供

業種: 情報・通信業
アナリスト: 髙木 伸行

◆ システムインテグレーションが中核事業
MITホールディングスグループはインテグレーションサービスとソリューションサービスの2つの事業を行っている。システムインテグレーションサービスは売上高の9割、ソリューションサービスは1割を占めている(図表1)。

MITホールディングス(以下、同社)は、09年の設立ではあるが、90年1月にシステム開発、運用を目的に設立されたシステムイオの単独株式移転により設立されたもので、業歴としては30年を超えている。

同社は、持株会社として経営戦略の策定、経営指導、採用・研修等の事務受託、ガバナンスの構築等の管理業務を行っている。連結子会社のシステムイオとNetValueはシステムインテグレーションサービスを提供している。もうひとつの連結子会社であるビーガルは中小規模の企業向けにシステムインテグレーションサービスを提供しているが、主力はソリューションサービス事業である。海外子会社であるVision Links Myanmarはシステム開発やホームページ制作を行っているが、業績に与える影響が極めて小さいことから、連結対象となっていない(持分法も非適用)。

1)システムインテグレーションサービス
システムインテグレーションサービスは1)システムインテグレーション、2)サーバ/ネットワーク設計構築、3)システム運用・保守サービス等、4)プロジェクトマネジメントから成る(図表2)。売上内訳は開示されていないが、過半はシステムインテグレーションによるものとのことである。

システムインテグレーションサービスでは大手メーカーや大手システムインテグレーターから、主に二次請けとして、インフラ系基幹システム開発やネットワーク基盤構築を受注している。このため、日立社会情報サービス、富士通(6702 東証一部)、NTTデータ・アイが販売先の上位を占めている(図表3)。これら3 社向けの売上高は20/11 期第3 四半期累計期間では4 割を占めているが、この3 社のグループ企業まで含めると更に依存度は高くなる。

同社によると、概算ではあるが、システムインテグレーションサービスの売上高の4 分の3 程度が二次請けとして、1 割程度が一次請けによるものとのことである。

同社グループは公共(中央省庁、自治体、年金)、通信(携帯キャリア)、金融(銀行、クレジット、保険)の分野における開発実績を強みとしている。システムイオが東日本、NetValue が西日本での顧客対応を行っている。

また、ビーガルは大手システムインテグレーターでは対応できない中小規模事業者に対して、IoTやAIなどの新しい技術を取り入れた案件を手掛けている。エレクトロ二クスメーカーと共同開発するケースが多く、クラウドでの提供を主としている。

2)ソリューションサービス
ソリューションサービスは1)CADソリューションサービス、2)認証ソリューションサービス、3)デジタルマーケティングサービス、4)その他サービスで構成されている(図表4)。売上構成比は高い順からCADソリューションサービス、デジタルマーケティングサービス、顔認証ソリューションサービスとなっている。

フロー型の収入が多いものの、CADソリューションサービスやデジタルマーケティング等の保守料に加え、デジタルマーケティングでは一部、月額制のクラウドサービスとして提供していることから、契約先の増加に比例して収益が増加するストック型ビジネスの部分もある。

CADソリューションサービスは官公庁や土木業界や電気設備工事業界等で利用されている。官公庁版は11県への一括導入を始め200以上の自治体に導入されている。

デジタルマーケティングサービスで取り扱っている、デジタルカタログの制作・配信・解析業務の負担を大幅に削減するWisebookは、18年4月に他社から譲り受けた事業である。営業を強化したことや、同社が事業を引き継いだことにより顧客からの信頼が増したこと等から、規模は小さいものの受注は増加している。1,000社を超える導入実績があるが、代表的な利用者としては通信教育講座などを展開しているユーキャン(東京都新宿区)や通信販売事業等を行うディノス(東京都中野区)が挙げられる。

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