ジェイック<7073> 教育して就職させることで若者の可能性を広げ、就職先企業の社風も変える

2019/11/06

教育融合型人材紹介サービス「カレッジ事業」を運営
教育して就職させることで若者の可能性を広げ、就職先企業の社風も変える

業種: サービス業
アナリスト: 髙木 伸行

◆ 就職ポテンシャル層と中堅中小企業を結び付ける
ジェイック(以下、同社)グループは、「就職ポテンシャル層」に教育の機会を提供した上で、主に従業員数300 人未満の企業に紹介をする教育融合型人材紹介サービスを主たる事業としている。連結子会社としては香港の100%子会社である杰意可有限公司と同子会社を通して55%を出資する上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司(教育研修事業を行う)が、持分法適用会社としては適性診断エンジンの供給元であるレイルがある。

「就職ポテンシャル層」とは、同社が名付けたもので、フリーター、第二新卒、大学中退者、就活に出遅れたり、地方等の就職活動に制約があったりする大学4 年生、留年生、留学生等、採用市場で不利な立場にあるものの、就職活動という大きなイベントを経て成長を遂げたり、自分に合った仕事に出会うことで意欲や才能に目覚めたりする可能性がある人材層を指す。

同社の売上高は教育融合型人材紹介サービスを始めとするカレッジ事業注と教育研修事業その他に分類されている(図表1)。

◆ カレッジ事業
カレッジ事業の中で、人材紹介を前提とした教育サービスとしては、20代の就職に苦戦するフリーターや第二新卒層を対象とする「就職カレッジ®」、内定がなかなかもらえない、あるいは単位取得の関係等で就職活動に出遅れた大学4年生に向けての「新卒カレッジ®」、就職カレッジ®の対象の中で女性だけを対象とした「女子カレッジ®」、大学中退者を対象とした「セカンドカレッジ®」というように、ここ10年ほどの間に対象を絞ったサービスを順次紹介してきた(図表2)。

また、人材紹介ではない分野の教育サービスも充実させている。採用される求職者の上司となる若手リーダーや次期リーダー層を対象にリーダー育成カリキュラムを提供する「リーダーカレッジ」、就職後の定着支援を目的とした「エースカレッジ」等も運営している。

19/1期のカレッジ事業の売上内訳は、就職カレッジ®、女子カレッジ®、セカンドカレッジ®の合計が80%、新卒カレッジ®が10%、リーダーカレッジと立ち上げ中のエースカレッジの合計で10%となっている。

教育融合型人材紹介サービスの中心となる就職カレッジ®、女子カレッジ®、セカンドカレッジ®、新卒カレッジ®のサービスは図表3のような流れで提供されている。

入り口部分としてはサービス説明会に加えて、求職者の悩みや不安に応えるお役立ちセミナーや1対1のキャリアカウンセリングが設けられている。続いて希望者は無料就職支援講座である各カレッジで社会人として必要な考え方、ビジネスマナー、面接力の向上策について学ぶことができる。

無料就職支援講座のうち就職カレッジ®は同社の8拠点(神保町本社、新宿、池袋、横浜、名古屋、大阪、梅田、福岡)で、他のカレッジは関東圏のみで提供されている。就職後も必要となる知識を習得させる講座もあり、採用企業にとっても入社後の研修負担の軽減につながる点が評価されている。

無料就職支援講座を修了した求職者は集団面接会や個別面接に進むことになる。集団面接会は求職者とクライアント企業が総当たりで面接をする場のことである。売手市場のなか、求人広告を出稿したり、人材紹介会社に依頼をしてもなかなか応募者が現れないクライアント企業にとっても確実に求職者に会うことができる(4時間で20人と面接可能)というメリットがある。

◆ カレッジ事業のビジネスモデル
同社は、就職ポテンシャル層からはカレッジの受講料は受け取らず、クライアント企業から人材の紹介料を徴収している。同社の紹介した人材が採用されて初めて、紹介料が発生する成功報酬型モデルである。クライアント企業との契約内容にもよるが、目安として採用1人につき約100万円が同社の受け取る報酬となるが、紹介者が1カ月内に退職すると全額返金、2カ月内で退職すると50%の返金、3カ月内で25%の返金となり、3カ月を経過して初めて満額を受け取れることになる。

フリーター層を例にとると、19/1期に約29千人のフリーターからの問い合わせがあり、うち2.8千人がカレッジ卒業にまで辿り着いた。歩留まりは約1割であった。問い合わせ経路は、Web経由が15/1期に半数を超えたが、19/1期はWeb経由が90%超となっている。カレッジ卒業者は集団面接会に進むが、就職成功率は80%を超えている。求職者は採用されなければ、何回でも集団面接会に参加することができる。

同社が収入と利益を上げるためには、①就職ポテンシャル層へのリーチをしっかり行い、問合せ数を引き上げること、②問合せ者をサービス説明会やお役立ちセミナー、キャリアカウンセリングといった導入イベントへ呼び込むこと、③カレッジへの入学率を高めること、④多数のクライアント企業を確保するといったことが必要となる。

◆ 教育研修事業その他
教育研修事業は中堅中小企業を中心に、「7つの習慣®」や「原田メソッド」のようなパッケージ研修、若手層を中心とした様々な階層向けの研修講師を派遣するインハウス型、受講者を同社の会場に集客するオープンセミナー型等で展開している。

7つの習慣®研修は世界的ベストセラーとなったビジネス書「7つの習慣®」に基づき、中堅中小企業向けにカスタマイズした同社独自の研修でスキルよりは考え方の変革を重視している。標準の研修期間は2 日間である。原田メソッ ド研修は中学校の教員であった原田隆史氏が大阪の公立中学校の陸上部 を指導し、7 年間で13回の日本一という成果を上げた人間の行動科学や心 理学に基づいた目標達成方法を中堅中小企業向けにカスタマイズして提供 している。研修期間は3 日間となっている。

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ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。