ハウテレビジョン<7064> 難関大学学生・出身者と入社難易度の高い外資系を始めとする企業をマッチング

2019/05/10

新卒学生及び若手社会人向けリクルーティング・プラットフォームを運営
難関大学学生・出身者と入社難易度の高い外資系を始めとする企業をマッチング

業種:サービス業
アナリスト: 髙木 伸行

◆ 難関大学生向けルクルーティグ・プラットフォームを提供
ハウテレビジョン(以下、同社)は、新卒学生向けリクルーティング・プラットフォーム「外資就活ドットコム」、若手社会人向けリクルーティング・プラットフォーム「Liiga(リーガ)」及び広告配信プラットフォーム「Elite Youth Recruiting DSP」の運営管理等(DSP サービス)を通じたキャリアプラットフォーム事業を行っている(図表1)。

◆ 外資就活ドットコム
外資就活ドットコムは10 年4 月にリリースされたが、14 年2 月にはスマートフォンアプリも加わり、利便性が格段に高まった。国内、国外の難関大学に所属する学生の利用を想定し、同社が厳選した外資系企業や入社難易度が高い国内企業(以下、採用募集企業)の募集情報を掲載している。外資就活ドットコムは卒業年次に関係なく登録できるため、低年次の学生も登録しており、そのような会員向けに3 カ月以上の勤務を前提とした有給の長期インターンシップについての情報も掲載している。

採用募集企業の業種としては外資系、日系を問わず、金融機関、コンサルティング会社、投資顧問会社、ベンチャーキャピタル、総合商社等、報酬が高く、入社難易度の高い先が中心である。採用募集企業の選定基準は厳しく、足元では新規申込に対して選定率は50%程度とのことである。

プラットフォームのコンセプトが明確であるため、難関大学の在籍者が多数を占め、登録会員の均質性が高い点は一般的なリクルーティング・プラットフォームとは一線を画している(図表2)。

外資就活ドットコムの収益化モデルは、登録会員に対しては無償でコンテンツを提供し、採用募集企業から広告掲載料や成約課金を受け取るというものである。登録会員数の増加やアクティブユーザーの増加により、プラットフォームの価値が高まっている。19/1 期末の登録会員数は累計168,959 人(前期末比34,754 人増)、19/1 期の月間平均送客数注1 は28,090 人(前期比9,078 人増)、月間平均DAU 注2 数は3,274 人(同1,236 人増)となった。

◆ Liiga
16 年2 月にリリースされたLiiga は、若手ハイクラス社会人層のスキルアップやキャリアアップを支援することを目的としており、スキルアップやキャリアアップにつながるプログラムを多数揃えている。就職活動を終了した外資就活ドットコムの登録会員に対してLiiga の案内をしており、Liiga の登録会員の40%程度が外資就活ドットコムの登録会員出身者で占められている。

Liiga 登録会員の出身大学の分布は、外資就活ドットコムの登録会員の分布と類似している。また、登録会員が所属している業界は、金融、IT・インターネット、コンサルティング等が上位を占めている(図表3、図表4)。やや高年齢のハイクラス人材をターゲットにしたプラットフォームが多いなか、採用募集企業にとっては、当サービスを利用することにより、若手のハイクラス層にアプローチできることが魅力となっている。

Liiga の収益は「前課金」、「人材エージェント・採用募集企業からの成功報酬売上」、「自社エージェントサービスによる成功報酬売上」の3 種類に分けられる。

「前課金」は採用募集企業から受け取る広告料やデータベース利用料である。「人材エージェント・採用募集企業からの成功報酬売上」は人材エージェントがLiiga を利用し、登録会員を人材エージェント自身の顧客企業等に紹介して成約に至った際に受け取る採用成功報酬と採用募集企業が直接Liiga の登録会員にアプローチし採用に至った際に受け取る報酬を指す。「自社エージェントサービスによる成功報酬売上」は19/1 期に入り本格的に運用を開始したサービスで、同社がLiiga を利用する募集企業に対して登録会員を紹介し、採用が決まった際に受け取る成功報酬を指している。

19/1 期末のLiiga の登録会員数は累計24,946 人(前期末比8,384 人増)、19/1 期の月間平均MAU 注3 数は2,860 人(前期比777 人増)、月間平均マッチング数は560 人(同224 人増)となった。

◆ DSP サービス
DSP サービスでは、外資就活ドットコム及びLiiga の主要な登録会員である難関大学生及びハイクラス社会人層に特化した広告配信プラットフォームElite Youth Recruiting DSP の運営管理を通じて、広告配信企業等より広告料を受け取っている。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。