日本エンタープライズ(4829) 前期比で大幅な増収増益を計画
![]() 植田 勝典 会長兼社長 |
日本エンタープライズ株式会社(4829) |
![]() |
企業情報
市場 |
東証スタンダード市場 |
業種 |
情報・通信 |
代表取締役会長兼社長 |
植田 勝典 |
所在地 |
東京都渋谷区渋谷1-17-8 松岡渋谷ビル |
決算月 |
5月 |
HP |
株式情報
株価 |
発行済株式数(期末) |
時価総額 |
ROE(実) |
売買単位 |
|
118円 |
38,534,900株 |
4,547百万円 |
0.4% |
100株 |
|
DPS(予) |
配当利回り(予) |
EPS(予) |
PER(予) |
BPS(実) |
PBR(実) |
3.00円 |
2.5% |
4.02円 |
29.4倍 |
122.87円 |
1.0倍 |
*株価は7/15終値。各数値は25年5月期決算短信より。
連結業績推移
決算期 |
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
当期純利益 |
EPS |
DPS |
2022年5月(実) |
4,019 |
102 |
153 |
71 |
1.81 |
2.00 |
2023年5月(実) |
4,210 |
180 |
190 |
103 |
2.68 |
2.00 |
2024年5月(実) |
4,696 |
264 |
278 |
209 |
5.43 |
3.00 |
2025年5月(実) |
4,442 |
67 |
89 |
21 |
0.56 |
3.00 |
2026年5月(予) |
5,330 |
240 |
250 |
155 |
4.02 |
3.00 |
* 予想は会社予想。単位:百万円、円。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下、同様。
日本エンタープライズ(株)の2025年5月期決算概要と今後の見通しについてご報告致します。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.2025年5月期決算概要
3.セグメント別事業概況
4.2026年5月期業績予想
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 25年5月期決算は減収減益。売上高は前年期比5.4%減の44億42百万円。クリエーション事業が増収も、前期まで堅調だったソリューション事業が減収。営業利益は同74.4%減の67百万円。減収に加え、月額コンテンツ会員を拡大路線へ転換させる積極的な広告宣伝費増、ベースアップ実施に伴う人件費増など販管費の増加(同7.5%増)を吸収できなかった。
- 26年3月期は増収増益を予想売上高は前期比20.0%増の53億30百万円、営業利益は同253.9%増の2億40百万円を見込む。営業を強化するために、2025年6月より営業本部をBtoC、BtoBtoCに特化する「コンシューマ営業本部」と、BtoBに特化する「コーポレート営業本部」に分けることとした。「コーポレート営業本部」に「アライアンスビジネス部」を設け、アライアンスをより積極的に推進する。この組織変更を梃に、両事業の拡大を推進する。配当は前期と同じく普通配当3.00円/株を予定。予想配当性向は74.6%。
- 24年5月期まで堅調に伸長してきたソリューション事業だが、25年5月期に入ってから低調に推移した。一方、クリエーション事業も25年5月期は前半低調だったが、後半は回復を見せ、第4四半期(3-5月)の売上高は4年ぶりに5億円台に乗せた。ただ利益は両事業とも低水準が続いている。
- 前期比で大幅な増収増益を計画している26年5月期、クリエーション事業の好調さを持続させつつ、ソリューション事業での回復が実現できるか、注目していきたい。
1.会社概要
モバイルソリューションカンパニーを標榜。個人向けスマートフォンアプリの開発・提供、企業向けシステム開発、モバイルキッティング、e コマース等のサービスを提供しており、事業セグメントは、自社IP(Intellectual Property)を活用したアプリケーションやシステムを提供する「クリエーション事業」と企業の業務用ソフトウェアやシステムの開発を請け負う「ソリューション事業」に分かれる。また、DXを背景に新たなサービスの創出にも取り組んでいる。
2001年2月16日に大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場へ株式上場。2007年7月10日に東京証券取引所市場第二部への市場変更、2014年2月28日に同市場第一部の指定を経て、2022年4月4日に同スタンダード市場へ移行。
1-1 経営理念
同社の経営理念は「綱領・信条・五精神」及び「日エン経営原則」に刻まれており、「これを繰り返し学ぶ事で基本理念を永遠に堅持していく」事が同社社員の責務。こうした正しい考えと正しい行動の下にこそ、長い目で見た「株主価値の極大化」、すなわち「資本という大切な“お預かりもの”を1円もムダにせず、最大化していくことが可能である」と言うのが同社グループを率いる植田会長兼社長の考えである。そもそも同社は、「社業を通じて社会のお役に立ちたい」という強い一念から植田会長兼社長が興した会社であり、IT技術により様々なコンテンツやソリューションを提供する事でお客様の満足度を高めると共に社会貢献していく事を目指している。こうした植田会長兼社長の経営哲学の下、創業初年度の経常利益は、ほぼ全額が日本赤十字社・社会福祉施設・児童養護施設等に寄付され、東日本大震災や能登半島地震等の天災の折には、被災した方々の支援と地域の復興に寄与するべく日本赤十字社に寄付が行われている。
綱領 | 我々は商人たるの本分に徹しその活動を通じ社会に貢献し、文化の進展に寄与することを我々の真の目的とします |
信条 | 我々は以下に掲げる五精神をもって一致団結し力強く職に奉じることを誓います |
私たちの遵奉する精神 | 一、商業報国の精神
一、忘私奉職の精神 一、収益浄財の精神 一、力闘挑戦の精神 一、感謝報恩の精神 |
「綱領」を経営の礎に、グループ全体で「信条」「五精神」を共有し、ビジョンを目指して事業活動に取り組んでいる。
1-2 企業グループ(連結子会社8社、
非連結子会社2社)
連結子会社は、業務支援、アプリ/WEBサイト企画・開発・運用等の(株)ダイブ、ITソリューション、アプリ/システム開発・運用等の(株)フォー・クオリア、音声通信関連ソリューションの(株)and One、スマートフォン向けキッティング支援ツール等の(株)プロモート、アプリ/システム開発等の(株)会津ラボ、太陽光発電の(株)スマート・コミュニティ・サポート、電子商取引サービス「いなせり」、「いなせり市場」の企画・開発・運営を手掛けるいなせり(株)、DX推進サポート等の㈱アップデートサポートの8社。非連結子会社は、コンテンツ運営等を行うNE銀潤(株)、米国の日系企業向け業務支援を手掛けるDive Global Access, Inc.の2社。
1-3 事業概要
報告セグメントは、クリエーション事業とソリューション事業の2つ。

(1)クリエーション事業
自社IP(Intellectual Property)を活用したサービスの提供を通じて新しいライフスタイル、ビジネススタイルを創造している。
「コンテンツサービス」「ビジネスサポートサービス」「再生可能エネルギー」で構成されている。

◎コンテンツサービス(BtoC)
通信キャリアの定額制及び月額課金制によって様々なコンテンツを提供している。
(主なコンテンツ)
エンターテインメント | 「ちょこっとゲーム forスゴ得」
すき間時間に誰もが気軽に遊べるカジュアルゲームのポータルサイト
「SPゲームパック forスゴ得」 高品質なコンテンツを集めたゲームパックサイト
「スゴコミック」 人気のコミックから大人向けの話題作まで、60万冊以上の豊富なラインナップを誇る電子書籍サイト
「BOOKSMART」 人気漫画も今すぐ読める電子書籍サービス |
ライフスタイル | 「ATIS交通情報」
プロドライバーにも毎日利用される、全国の高速道路・一般道路の情報を提供する実用サービス 「女性のリズム手帳」 月間20万ユーザーが利用する女性のための「美」と「健康」をサポートするアプリ
「Speak Lab forスゴ得」 通信キャリア向け定額制サービス:AIキャラクターと気軽に話せるAI英会話サービス
「ラッキーステーション」 レジャーやグルメ、ショッピングの他、学びや健康、育児・介護など幅広いジャンルの特典を何回も利用できる優待割引サービス
「いなせり市場」 一般消費者が、豊洲市場の仲卸の目利きに適った水産物等を購入できるECサイト |
(同社資料を基に作成)
◎ビジネスサポートサービス(BtoB)
キッティング支援、交通情報、コミュニケーション、EC・ASPサービス等で構成されている。
キッティング支援 | 端末やサーバーなどのデバイスの初期設定(キッティング)について、人的作業の軽減と「生産性」「正確性」向上を実現するRPAツール『Kitting-One』の提供(ツール販売)と同ツールを用いた請負作業(代行サービス)により支援している。
独自開発した製品力を強みにサービス拡充や販路拡大を推進している。 |
交通情報 | 世界で初めて高度交通情報の提供を開始したサービス。自然災害対策や物流効率化で重要性が高まる交通情報を独自開発したシステムで運輸交通機関等に提供している。 |
コミュニケーション | 操作性・柔軟性に優れたビジネスフォン環境を提供するIP-PBXコミュニケーションシステムは、多くの回線事業者が提供するIP電話サービスの接続試験・技術確認をクリアしており、高品質な通話を実現する。 |
EC・ASPサービス等 | 調達業務を効率化する調達業務支援サービスは、各種入札機能により、顧客のコスト削減や業務効率化、公平な取引を実現する。クローズ型『Profair』は定額制で、契約サプライヤーのみが応札できるセキュアな環境で公明正大な取引を実現する。オープン型『日本オープンマーケット』は、幅広い提案を受領することができ、従量課金制で1案件から利用が可能である。官公庁や国公私立大学、公共機関、大手民間企業等への導入実績を誇る。
このほか、自治体向けの観光振興アプリや、社員研修を実施・管理するeラーニング等を提供しているほか、東京魚市場卸協同組合(仲卸)等と連携を図り水産物や青果を販売するエスクローサービスも提供している。 |
(同社資料を基に作成)
◎再生可能エネルギー(BtoB)
山口県において再生可能エネルギー(太陽光発電)による地域活性化を推進している。
(2)ソリューション事業
ITソリューションを通じて顧客ビジネスに新しい価値を提供している。
「システム開発サービス」「業務支援サービス」「その他サービス」で構成されている。

◎システム開発サービス(BtoB)
自社コンテンツ開発で培ったノウハウやAI等の最新技術を取り入れ、コンサルティングから企画・開発・運用までトータルソリューションサービスを提供している。
◎業務支援サービス(BtoB)
通信キャリア等に対し、高度IT人材による上流工程の業務を常駐型で支援している。
◎その他サービス(BtoB)
中古端末買取販売サービス等、端末を基軸に事業展開する主力サービスに付随し拡大している。
1-4 経営環境と事業方針
生産年齢人口の減少とそれに伴う国内市場の縮小により、持続可能な社会構築が一層重視され、DX国内市場は2030年に9兆円超まで拡大すると見込まれている。このような状況下、様々なITサービスを通して顧客に新しい価値を提供するとともに社業を通じて社会貢献していく事を目指している同社は、既存サービスの強化はもちろん、新サービスの創出を積極的に推進していく考えだ。

(同社資料より)
1-5 ESGについて
持続可能な社会実現と企業価値の向上を目指し、以下のような取り組みを行っている。
E:環境 | ・デジタル化支援サービス
エネルギーマネジメントシステムや、AIやRPA等の技術を活用した人的作業の省力化に向けたサービスを提供
・リサイクル支援サービス スマートフォン等の不要端末を買い取り、データ消去の上で販売
・再生可能エネルギー開発 山口県宇部市にて太陽光発電による発電及び電力を販売 |
S:社会 | ・多様な人材の活躍に向けた取り組み
早朝勤務制度導入、テレワーク体制構築運用、女性管理職登用、人事評価・教育制度整備、産前産後・育児・介護休暇 等 目標としている各指標及び実績は以下のとおりである。 管理職に占める女性労働者の割合 2026年5月までに25%(実績13.6%) 男性労働者の育児休業取得率 2026年5月までに100%(実績100.0%) 労働者の男女の賃金の差異 2026年5月までに80%(実績78.0%) *実績は2024年5月期
・社会貢献活動 最終利益の1%相当額を寄付金として積み立て |
G:ガバナンス | ・経営の健全性及び透明性の確保に向けたコーポレート・ガバナンス体制の構築
・取締役及び監査役のスキルマトリックス作成 ・取締役会実効性評価の実施 ・企業理念に基づく企業倫理の浸透と各種法令及びコンプライアンスの徹底 ・すべてのステークホルダーへの的確な情報開示 |
1-6 ROE分析
18/5期 |
19/5期 |
20/5期 |
21/5期 |
22/5期 |
23/5期 |
24/5期 |
25/5期 |
|
ROE(%) |
3.4 |
2.0 |
3.6 |
2.7 |
1.5 |
2.2 |
4.3 |
0.4 |
売上高当期純利益率(%) |
4.3 |
2.9 |
4.9 |
3.1 |
1.8 |
2.5 |
4.5 |
0.5 |
総資産回転率(回) |
0.6 |
0.6 |
0.6 |
0.7 |
0.7 |
0.7 |
0.8 |
0.8 |
レバレッジ(倍) |
1.2 |
1.2 |
1.2 |
1.2 |
1.2 |
1.2 |
1.2 |
1.2 |
*同社決算資料を基に(株)インベストメントブリッジが計算。

*同社決算資料を基に(株)インベストメントブリッジが作成。
25年5月期のROEは売上高当期純利益率の低下を主要因に前期比3.9ポイント低下し0.4%となった。収益性及び資産効率性の改善によるROE水準の改善が必要である。
2.2025年5月期決算概要
2-1 連結業績
24/5期 |
構成比 |
25/5期 |
構成比 |
前期比 |
予想比 |
|
売上高 |
4,696 |
100.0% |
4,442 |
100.0% |
-5.4% |
-1.5% |
売上総利益 |
1,724 |
36.7% |
1,637 |
36.9% |
-5.1% |
– |
販管費 |
1,459 |
31.1% |
1,569 |
35.3% |
+7.5% |
– |
営業利益 |
264 |
5.6% |
67 |
1.5% |
-74.4% |
+4.3% |
経常利益 |
278 |
5.9% |
89 |
2.0% |
-68.0% |
+5.1% |
当期純利益 |
209 |
4.5% |
21 |
0.5% |
-89.6% |
+44.6% |
* 単位:百万円。予想比は25年4月公表の業績予想に対する比率。
減収減益
売上高は前年期比5.4%減の44億42百万円。クリエーション事業が増収も、前期まで堅調だったソリューション事業が減収。
営業利益は同74.4%減の67百万円。減収に加え、月額コンテンツ会員を拡大路線へ転換させる積極的な広告宣伝費増、ベースアップ実施に伴う人件費増など販管費の増加(同7.5%増)を吸収できなかった。

*同社決算資料を基に(株)インベストメントブリッジが作成。
2-2 セグメント別動向
◎セグメント別売上高・利益
24/5期 |
構成比 |
25/5期 |
構成比 |
前期比 |
|
クリエーション事業 |
1,780 |
37.9% |
1,799 |
40.5% |
+1.1% |
ソリューション事業 |
2,915 |
62.1% |
2,642 |
59.5% |
-9.4% |
連結売上高 |
4,696 |
100.0% |
4,442 |
100.0% |
-5.4% |
クリエーション事業 |
460 |
25.8% |
368 |
20.5% |
-20.0% |
ソリューション事業 |
375 |
12.9% |
275 |
10.4% |
-26.5% |
調整額 |
-570 |
– |
-576 |
– |
– |
連結営業利益 |
264 |
5.6% |
67 |
1.5% |
-74.4% |
* 単位:百万円。利益の構成比は売上高営業利益率。

四半期ベースで前期まで堅調に伸長してきたソリューション事業の売上高は今期に入り低調に推移。
クリエーション事業は上期軟調であったが、下期に入り回復。
①クリエーション事業
24/5期 |
25/5期 |
前期比 |
|
コンテンツサービス |
947 |
1,054 |
+11.3% |
ビジネスサポートサービス |
776 |
684 |
-11.8% |
再生可能エネルギー |
57 |
60 |
+5.8% |
セグメント売上高 |
1,780 |
1,799 |
+1.1% |
* 単位:百万円
「ビジネスサポートサービス」が減少したものの、「コンテンツサービス」の増加により前期比1.1%の増収。
*コンテンツサービス
「月額コンテンツ」がプロモーション強化で増加に転じた他、「キャリア定額コンテンツ」が大幅に増加したことにより同11.3%の増収。
*ビジネスサポートサービス
「交通情報」「キッティング支援(ツール販売)」が増加したものの、「キッティング支援(代行サービス)」「EC・ASPサービス等」の減少により同11.8%の減収。
*再生可能エネルギー
良好な天候により同5.8%の増収。
②ソリューション事業
24/5期 |
25/5期 |
前期比 |
|
システム開発サービス |
2,234 |
1,916 |
-14.2% |
業務支援サービス |
558 |
649 |
+16.3% |
その他サービス |
122 |
76 |
-37.4% |
セグメント売上高 |
2,915 |
2,642 |
-9.4% |
* 単位:百万円
「業務支援サービス」が増加したものの、「システム開発サービス」の減少により前期比9.4%の減収。
*システム開発サービス
「運用保守」「ラボ型開発」が増加したものの、「受託開発」「サポート」の復調が遅れ前期比14.2%の減収。
*業務支援サービス
高度IT人材の躍進により同16.3%の増収。
*その他サービス
「ガラスコート剤」の販売が伸長したものの、24年5月期第1四半期の特需(ソリューション関連機器)剥落により同37.4%の減収。
2-3 財政状態と
キャッシュ・フロー
◎要約BS
24年5月 |
25年5月 |
増減 |
24年5月 |
25年5月 |
増減 |
||
流動資産合計 |
5,306 |
4,711 |
-594 |
流動負債合計 |
658 |
608 |
-50 |
現金及び預金 |
4,424 |
3,861 |
-563 |
仕入債務 |
212 |
195 |
-17 |
売上債権 |
809 |
751 |
-57 |
短期借入金 |
21 |
– |
-21 |
固定資産合計 |
645 |
880 |
+234 |
固定負債合計 |
224 |
86 |
-138 |
有形固定資産合計 |
284 |
249 |
-34 |
長期借入金 |
138 |
– |
-138 |
無形固定資産合計 |
181 |
235 |
+53 |
負債合計 |
882 |
694 |
-188 |
投資その他の資産合計 |
179 |
395 |
+215 |
純資産合計 |
5,068 |
4,896 |
-172 |
資産合計 |
5,951 |
5,591 |
-360 |
負債純資産合計 |
5,951 |
5,591 |
-360 |
* 単位:百万円。売上債権には電子記録債権を含む。

*同社決算資料を基に(株)インベストメントブリッジが作成。
投資有価証券が増加した一方、現預金の減少等で総資産は前期末比3億60百万円減少の55億91百万円。長短借入金を返済し負債は同1億88百万円減少の6億94百万円。その他有価証券評価差額金(マイナス)の計上などで純資産は同1億72百万円減少の48億96百万円。この結果自己資本比率は前期末から2.1ポイント上昇し84.7%となった。
◎キャッシュ・フロー
24/5期 |
25/5期 |
増減 |
|
営業CF |
272 |
157 |
-114 |
投資CF |
-74 |
-436 |
-361 |
フリーCF |
197 |
-278 |
-475 |
財務CF |
-108 |
-286 |
-177 |
現金・現金同等物残高 |
4,388 |
3,824 |
-564 |
* 単位:百万円

*同社決算資料を基に(株)インベストメントブリッジが作成。
税金等調整前当期純利益の減少、投資有価証券の取得による支出の増加等でフリーCFはマイナスに転じた。
キャッシュポジションは低下した。
2-4 トピックス
◎組織変更
営業を強化するために、2025年6月より営業本部をBtoC、BtoBtoCに特化する「コンシューマ営業本部」と、BtoBに特化する「コーポレート営業本部」に分けることとした。
「コーポレート営業本部」に「アライアンスビジネス部」を設け、アライアンスをより積極的に推進する。
3.セグメント別事業概況
両事業における足元の商材、サービス提供の状況は以下の通り。
自社コンテンツの開発・提供を核に法人向けソリューションサービスへと事業を拡大してきたが、今後はこれまで培ってきた技術・ノウハウを基にプラットフォーマーへのコンサルティングにより顧客事業の拡大を支援していく考えだ。
3-1 クリエーション事業
(1)コンテンツサービス
拡大を続けるモバイルコンテンツ関連市場を背景に、徹底した市場分析・マーケティングによる最適化したプロモーションとアライアンス創出で更なる拡販を目指している。
月額課金コンテンツは、25年5月期第4四半期にV字回復を実現した。最適化したプロモーションによる新規会員獲得及び 継続率向上で成長する。
キャリア定額コンテンツは、アライアンス強化、コンテンツ拡充、新タイトル投入により拡大を図る。

(同社資料より)
(主な取り組み)
コンテンツ |
取組み |
Speak Lab forスゴ得 | 6種類の新キャラクターを追加した。 |
ちょこっとゲーム forスゴ得など | 新規ゲームを追加した。 |
ATIS交通情報 | パートナー企業の開拓により、連携強化とプロコースの拡販を実施している。 |
ラッキーステーション、スゴコミックなど | サービス改善及び広告投資を更に強化 |
(2)ビジネスサポートサービス
◎キッティング支援
独自開発したRPAツール『Kitting-One』を強みにサービス拡充やオーダーメイド型のカスタムツールによる販路を拡大している。

(同社資料より)
◎交通情報
自然災害対策や物流効率化で重要性が高まる交通情報を独自開発したシステムで運輸交通機関等に提供している。
直近ではサイネージによる提供を強化しているほか、拡大縮小や情報選択を可能にしたデフォルメマップで大手メディア局への提案を進めている。

(同社資料より)
◎コミュニケーション
4大通信キャリアを含む7つの主要回線事業者に対応し高品質な通話を実現している他、多彩な機能を有することで代理店各社の多様なニーズに応えて事業を拡大している。
2025年4月から、株式会社ティーガイアにIP-PBXコミュニケーションシステム『NE-Phoneシステム』のOEM提供を開始した。
既存パートナーとの連携強化と新規パートナーの獲得を促進している。

(同社資料より)
◎EC・ASPサービス等
ソフトウェア構築を通じEC・ASP等を提供している。
2025年5月からKDDIに対し、サブスクリクションサービス「Pontaパス」の継続利用促進へ向けた支援を開始した。
調達業務支援サービスでは、問い合せ及びリファラル営業を通じて国公立大学や大手企業を中心に顧客を拡大している。
いなせり市場では、法人需要の取り込みを図り、カタログギフトサービスを開始した。

(同社資料より、調達業務支援サービスイメージ)
◎再生可能エネルギー
山口県宇部市の太陽光発電設備においては、25年5月期、同社グループの消費電力量の約6倍の電力を発電した。
電力売買の他、技術力を融合させた地方創生のためのサービス創出を目指している。

(同社資料より)
3-2 ソリューション事業
◎システム開発サービス
自社開発コンテンツで培ったノウハウとAI等の最新技術を取り入れた開発力で先進的案件や大規模案件など多様な案件に参画している。豊富な実績を基に、既存顧客の深耕と新規顧客の開拓を推進している。
急拡大するAI市場を背景に、大型商業施設向けAI画像解析による駐車場出庫時間表示の導入など、AIを活用したサービス提供に注力している。

(同社資料より)
◎業務支援サービス
顧客ニーズが高く、拡大が続く市場を背景に高度IT人材に特化した支援サービスで事業を拡大。人材への投資とチーム編成等によるサービス力の向上で大手通信キャリアを中心に展開している。顧客関連企業を含む新たな領域・部門への営業を強化中である。
2025年6月には、金融領域に特化したサービスを新たに開始。株式会社NTTドコモにおいて金融システムリスク管理業務を支援している。

(同社資料より)
◎その他サービス
主力事業に付随した同サービスの中でも特に中古端末買取販売サービスは、市場拡大を背景に全国展開する携帯電話取扱代理店へ営業を強化している。
そのほか、2025年5月には、株式会社NTTドコモが提供するスマートフォン向けサービス「スゴ得コンテンツ®」の契約者増加へ向け、オリジナルカプセルトイを用いた支援策をスタートさせた。

(同社資料より)
4.2026年5月期業績予想
【4-1 連結業績予想】
25/5期 実績 |
構成比 |
26/5期 予想 |
構成比 |
前期比 |
|
売上高 |
4,442 |
100.0% |
5,330 |
100.0% |
+20.0% |
営業利益 |
67 |
1.5% |
240 |
4.5% |
+253.9% |
経常利益 |
89 |
2.0% |
250 |
4.7% |
+179.7% |
当期純利益 |
21 |
0.5% |
155 |
2.9% |
+614.5% |
* 単位:百万円
増収増益を予想
売上高は前期比20.0%増の53億30百万円、営業利益は同253.9%増の2億40百万円の予想。前述の組織変更を梃に、両事業の拡大を推進する。
配当は前期と同じく普通配当3.00円/株を予定。予想配当性向は74.6%。
【4-2 今後の取組み】
◎クリエーション事業
一般消費者向け「コンテンツサービス」については、月額コンテンツはバリュー向上と広告投資の最適化で増収トレンドを継続する。キャリア定額コンテンツにおいては、引き続き通信キャリアと連携し、定額制コンテンツの販売強化や新タイトル投入を図る。
法人向け「ビジネスサポートサービス」については、特にキッティング支援において、ツール販売や代行サービスの拡充に注力するとともに、クライアントのニーズに合わせたオーダーメイド型キッティングツールの販路開拓を推進する。
◎ソリューション事業
「システム開発サービス」については、引き続き企業の DX 投資意欲は総じて高く、クリエーション事業で培ったノウハウを活かしたトータルソリューションサービスを提供し既存顧客への深耕と新規顧客の獲得を積極的に推進する。
5.今後の注目点
24年5月期まで堅調に伸長してきたソリューション事業だが、25年5月期に入ってから低調に推移した。一方、クリエーション事業も25年5月期は前半低調だったが、後半は回復を見せ、第4四半期(3-5月)の売上高は4年ぶりに5億円台に乗せた。
ただ利益は両事業とも低水準が続いている。
前期比で大幅な増収増益を計画している26年5月期、クリエーション事業の好調さを持続させつつ、ソリューション事業での回復が実現できるか、注目していきたい。

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎組織形態及び取締役、監査役の構成
組織形態 | 監査役設置会社 |
取締役 | 5名、うち社外2名(うち独立役員0名) |
監査役 | 3名、うち社外2名(うち独立役員1名) |
◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2024年8月29日)
基本的な考え方
当社グループは、経営目標の達成の為に取締役会が行う意思決定について、事業リスク回避または軽減を補完しつつ、監査役会による適法性の監視・取締役の不正な業務執行の抑止、また、会社の意思決定の迅速化と経営責任の明確化を実現する企業組織体制の確立により、株主利益の最大化を図ることがコーポレート・ガバナンスと考えております。
<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>
<補充原則4-1-3:CEOなどの後継者計画>
当社は、経営陣幹部向けに「植田塾」を開催し、経営者として求められる「戦略思考」「リーダーシップ」等の教育を通じた育成に注力している他、最高経営責任者(CEO)等の後継者計画・育成に関して、役員間での意見交換会を開催するなど強化に努めておりますが、具体的な後継者計画は策定はしておりません。今後、後継者候補の育成計画の策定及び監督を検討してまいります。
なお、計画の策定にあたっては、十分な時間と資源をかけて後継者候補の育成が行われていくよう努めます。
<補充原則4-2-2:取締役会による自社のサステナビリティを巡る取組みについての基本的な方針の策定、経営戦略の配分や事業ポートフォリオ戦略の実行の監督>
当社では、サステナビリティを巡る取組みを推進するために必要な経営資源を投じておりますが、自社のサステナビリティを巡る取り組みに関する基本方針の策定については検討中であります。また、人的資本や知的財産等の経営資源の配分についても、基本方針に基づき計画を策定し、取締役会による実効性のある監督が機能するよう努めてまいります。
<原則5-2:経営戦略や経営計画の策定・公表>
当社は、資本コストを考慮した上で、事業ポートフォリオの見直しや設備投資、研究開発投資、人的資本への投資を含めた経営資源の配分を踏まえた事業計画を策定し、毎期初において当該期の業績予想を開示しております。
しかしながら、当社が属するITサービス市場は事業環境変化の予測が困難であることから、収益力、資本効率等に関する目標及び具体策については策定・開示しておりません。これらの策定・公表については、リソース、外部環境などを踏まえ今後、検討してまいります。
<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>
<原則1-4:政策保有株式>
当社の政策保有株式の縮減に関する方針、保有の適否の検証及び議決権行使に関する基準は、以下の通りであります。
1.政策保有株式の縮減に関する方針
当社は、取引先との安定的な関係維持・強化が企業戦略上重要且つ当社の持続的な成長と企業価値向上に資すると判断した場合に限り、政策保有株式を限定的に保有する方針であります。その戦略上の判断は、適宜見直しを行い、意義が不十分であるか、又は資本政策に合致しない政策保有株式については縮減する方針でございます。
2.政策保有株式の保有の適否の検証
当社は、保有先企業の動向、取引の状況、当該保有株式の市場価額等の状況を踏まえて、当該企業との業務提携、取引の維持・発展等の保有目的の合理性を勘案し、当社の成長への必要性、一方では保有リスクも勘案し、資金活用の有効性の観点から、保有の適否について毎年検証を行っております。
3.政策保有株式の議決権行使に関する基準
政策保有株式に係る議決権行使は、その議案が当社の保有方針に適合するかどうかに加え、発行会社の企業価値の向上を期待できるかどうかなど、複合的に勘案して行います。
<補充原則2-4-1:多様性の確保に関する考え方と自主的かつ測定可能な目標の開示>
当社グループが、クリエーション事業及びソリューション事業の各種サービスを提供し、「持続可能な社会の実現」への貢献を果たすに際しては、多様なスキルとバックグラウンドを有する人材が、継続的に成長し、自らの価値を高めることが重要であります。そのため、当社グループでは、性別、年齢、国籍、学歴などにとらわれない採用活動に取り組み多様性の確保に努めるとともに、能力や適性、実績等を重視した管理職への登用や公正な人事評価を行い、また、従業員が各々の専門性をより高め、付加価値の高い人材となるための人材育成に努めることを基本方針としております。
当社グループでは、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、「管理職に占める女性労働者の割合」、「男性労働者の育児休業取得率」、「労働者の男女の賃金の差異」の指標を用いており、当該指標に対する目標と実績を開示しております。
<補充原則3-1-3:自社のサステナビリティについての取組みに関する開示>
当社グループは中長期的な企業価値向上の観点から、サステナビリティを巡る課題への対応は重要な経営課題であると認識しております。現在推進している太陽光発電やブロックチェーン技術を用いたエネルギーマネジメントシステムの構築のみならず、AIやRPA等の技術を活用した人的作業の省力化に繋がるサービスの提供などサステナブルな社会の実現に貢献する各種サービスの開発及び品質向上に努めてまいります。
これらの事業推進に必要な人材については、人材育成方針及び社内環境整備方針に従い、積極的な採用活動の継続等、人的資本への投資を行っております。また、知的財産への投資については、継続的なソフトウェア資産への投資が、競争力及び付加価値の向上、当社グループの継続的なサービス提供に資するため、毎年一定水準額の投資を行っております。
<原則5-1:株主との建設的な対話に関する方針>
当社では、「IR活動の基本姿勢と開示基準」、「情報開示の方法と情報の公平性」、「将来の見通しについて」、「IR自粛期間について」からなるIR基本方針を策定しており、当社ウェブサイトにて公表しております。
●IR基本方針
URL:https://www.nihon-e.co.jp/ir/management/line.html
現在、当社ではこのIR基本方針に基づき、株主との建設的な対話という観点から、以下の取り組みを積極的に実施しております。
(1)当社では専務取締役管理本部長を内部情報管理責任者に指定し、経理部、総務部、人事・広報部等のIR活動に関連する部署を管掌し、日常的な部署間の連携を図っております。
(2)社内各部門の会社情報については、内部情報管理責任者が一元的に把握・管理し、的確な経営判断のもと、有機的な連携に努め、IRに関連する他部署との情報共有を密にすることで、連携強化を図るよう努めております。
(3)広報・IRグループにおいて、株主・投資家からの電話取材やスモールミーティング等のIR取材を積極的に受け付けると共に、アナリスト向けに決算説明会を開催し、会長、社長又は専務取締役が説明を行っております。
(4)IR活動及びそのフィードバック並びに株主異動等の状況については、適宜取締役会へ報告を行い、取締役や監査役との情報共有を図っております。
(5)投資家と対話をする際は、当社の公表済みの情報を用いた企業価値向上に関する議論を対話のテーマとすることにより、インサイダー情報管理に留意しております。

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