(4319)TAC株式会社 WEBマーケティング実施効果に期待

2022/12/22

 

 

 

多田 敏男 社長

TAC株式会社(4319)

 

 

会社情報

市場

東証スタンダード市場

業種

サービス業

代表取締役社長

多田 敏男

所在地

東京都千代田区神田三崎町3-2-18

決算月

3月末日

HP

https://www.tac-school.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

203円

18,504,000株

3,756百万円

7.4%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

6.00円

3.0%

21.62円

9.4倍

333.22円

0.6倍

*株価は11月18日の終値。発行済株式数、DPS、EPSは23年3月期第2四半期決算短信より。ROE、BPSは前期実績。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2019年3月(実)

20,474

340

409

309

16.74

8.00

2020年3月(実)

20,331

162

260

103

5.58

5.00

2021年3月(実)

19,749

404

646

405

21.92

5.00

2022年3月(実)

20,471

413

442

444

24.05

6.00

2023年3月(予)

20,450

650

608

400

21.62

6.00

*単位:百万円、円。予想は会社予想。数値は発生ベース。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下、同様。

 

 

TACの2023年3月期第2四半期決算概要等についてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2023年3月期第2四半期決算概要
3.2023年3月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 23年3月期第2四半期は前年同期比減収、営業減益。現金ベース売上高は、前年同期比5.2%減の104億19百万円。発生ベース売上高は同3.5%減の107億62百万円。売上原価が同4.4%減となったが、販管費が同1.5%増となったため、発生ベース営業利益は同15.2%減の9億41百万円となった。当期純利益は同20.7%減の6億14百万円となった。 
  • 23年3月期は従来予想を据え置いた。現金ベース売上高は、前期比2.0%増の205億50百万円、発生ベース売上高は同0.1%減の204億50百万円、営業利益は同57.3%増の6億50百万円を予想。教室床面積の最適化による賃借料削減やWEBマーケティングを積極的に実施するなどにより大幅増益を見込んでいる。なお、配当は前期と同じ6.00円/株を予定。予想配当性向は27.8%。 
  • 新型コロナウイルスの感染症の第8波の感染拡大の影響が気がかりではあるが、今期は3年ぶりに行動規制がないため、これまでのコロナ対策を行ってきた同社の施策等の効果が期待できる。資格書籍以外に学習参考書「自分のあたまで考えるドリル まず、これから。」シリーズの刊行や、新しく開講した人生100年時代の実用講座、爆発的に成長しているプロeスポーツチーム「忍ism Gaming」とのスポンサー契約締結など、新たなジャンルへの挑戦にも期待したい。 

1.会社概要

「資格の学校TAC」として、資格取得スクールを全国展開。社会人や大学生を対象に、公認会計士、税理士、不動産鑑定士、社会保険労務士、司法試験、司法書士等の資格試験や公務員試験の受験指導を中心に、企業向けの研修事業や出版事業等も手掛ける。

 

企業グループ(連結子会社8社、持分法適用関連会社1社、非連結・持分法非適用子会社1社)

会社区分

セグメント

会社名

業務内容

連結子会社 個人教育事業 (株)TAC総合管理

太科信息技術(大連)有限公司

(株)オンラインスクール

教室用ビルの契約・メンテナンス業務等

大連オペレーションセンター(事務・教材視聴チェック等)

インターネットを通じての会員制教育事業

法人研修事業 (株)LUAC 保険関係の企業研修事業
出版事業 (株)早稲田経営出版

 

「Wセミナー」ブランドの出版事業

 

人材事業 (株)TACプロフェッションバンク 人材紹介・派遣・求人広告事業
(株)医療事務スタッフ関西 医療事務系労働者派遣、レセプト作成業務
(株)クボ医療 レセプト点検業務、レセプト整理業務など
持分法適用関連会社   (株)プロフェッションネットワーク 実務家向けWeb情報誌の発行
非連結・持分法非適用子会社   泰克現代教育(大連)有限公司 日本式簿記・情報処理教育の企業研修

*2022年9月末。

 

 

【1-1沿革】

1980年12月、資格試験の受験指導を目的として設立され、公認会計士講座、日商簿記検定講座、税理士講座を開講。2001年10月に株式を店頭登録。03年1月の東証2部上場を経て、04年3月に同1部に指定替えとなった。09年9月には司法試験、司法書士、弁理士、国家公務員Ⅰ種(現・国家総合職)・外務専門職等の資格受験講座を展開していた(株)KSS(旧・早稲田経営出版)から資格取得支援事業及び出版事業を譲受。これにより、会計分野に強みを有する同社の資格講座に法律系講座が加わると共に、公務員試験のフルラインナップ化も進んだ。2013年12月、小中高生向け通信教育事業を柱とする(株)増進会出版社と資本・業務提携契約を締結。2014年6月には医療事務分野への進出を狙い、M&Aを実施。

 

【1-2強み】

(1)試験制度の変化や法令改正へのきめ細かい対応
同社は、会社設立間もない頃から講師陣が毎年テキストを改訂し、試験制度の変化や法令改正にきめ細かく対応することで他社との差別化を図り受講生の支持を得てきた。事業が200億円規模になると、毎年発生するテキスト改訂コストを吸収することが可能だが、新規参入を考える企業はもちろん、同社よりも事業規模の劣る同業者にとっても、テキストを毎年改訂することは大きな負担である(ノウハウの蓄積が進み、高い生産性を実現していることも強みとなっている)。

 

(2)積極的な講座開発と充実したラインナップ
同社は大学生市場の開拓も含めて積極的に新しい分野(新講座の開設)にチャレンジすることで業界トップに上り詰め、業界初の株式上場を果たした。また、09年には、Wセミナーの資格取得支援事業を譲受し、従来手薄だった法律系講座や公務員試験のラインナップを拡充した。法律系講座及び公務員講座は、会計系3講座(公認会計士、税理士、簿記検定)と共に3本柱を形成し、マーケットの大きい3本柱を中心に多様な講座をラインナップしている。

 

(3)受講生中心主義の下でのサービスの先進性
サービスの先進性も同社の強みである。教育メディアや講師を受講生が自由に選択できるシステムを、資格取得学校市場で最初に導入したのは同社である。その背景にある受講生中心主義の経営姿勢は、テキストの品質と共に、「資格の学校TAC」のブランド醸成に一役買っている。

 

【1-3 ROE分析】

 

16/3期

17/3期

18/3期

19/3期

20/3期

21/3期

22/3期

ROE(%)

4.8

10.3

8.6

5.7

1.9

7.2

7.4

 売上高当期純利益率(%)

1.07

2.40

2.11

1.51

0.51

2.05

2.17

 総資産回転率(回)

0.93

0.94

0.96

0.95

0.97

0.97

0.98

 レバレッジ(倍)

4.81

4.60

4.27

4.00

3.81

3.60

3.49

 

 

2.2023年3月期第2四半期決算概要

売上高について
同社が行う資格取得支援事業は、受講申込者に全額受講料をお支払いいただき(現金ベースの売上)、同社はこれを一旦、前受金として貸借対照表・負債の部に計上する。その後、教育サービス提供期間に対応して、前受金が月ごとに売上に振り替えられる(発生ベースの売上)。損益計算書に計上される売上高は発生ベースの売上高で、同社は経営管理上、現金ベースの売上高の増加を重視している。

 

季節的特徴について
同社の四半期毎の業績推移は次のとおり。なお、現金ベース売上高(前受金調整前売上高)は受講申し込み金額を集計した売上高を、発生ベース売上高(前受金調整後売上高)は受講申し込み金額を教育サービス提供期間に対応して配分した後の売上高を、それぞれ表している。
同社が扱う公認会計士や税理士などの主な資格講座の本試験が春から秋(第1~第3四半期)に実施されることや、公務員講座など大学生が主な顧客となる講座の申し込みは春から夏(第1~第2四半期)に集中する等の特徴があるため、第4四半期は申し込み(現金ベース売上高)がその他の四半期に比べて少なくなりやすい傾向がある。一方、賃借料や講師料、広告宣伝費などの営業費用は毎月一定額が計上されるため四半期ごとの偏重は無い。

 

(1)連結業績

 

22/3期2Q

構成比

23/3期2Q

構成比

前期比

現金ベース売上高

10,997

98.6%

10,419

96.8%

-5.2%

発生ベース売上高

11,156

100.0%

10,762

100.0%

-3.5%

売上総利益

4,758

42.7%

4,643

43.1%

-2.4%

販管費

3,647

32.7%

3,701

34.4%

1.5%

営業利益

1,111

10.0%

941

8.8%

-15.2%

経常利益

1,154

10.4%

925

8.6%

-19.9%

当期純利益

775

7.0%

614

5.7%

-20.7%

*単位:百万円。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下、同様。

 

減収、赤字
23年3月期第2四半期は前年同期比減収、営業減益。現金ベース売上高は、前年同期比5.2%減の104億19百万円。発生ベース売上高は同3.5%減の107億62百万円。売上原価が同4.4%減となったが、販管費が同1.5%増となったため、発生ベース営業利益は同15.2%減の9億41百万円となった。当期純利益は同20.7%減の6億14百万円となった。

 

(2)セグメント別動向

セグメント別現金ベース売上高

 

22/3期2Q

構成比

23/3期2Q

構成比

前期比

個人教育事業

6,110

55.5%

5,632

54.1%

-7.8%

法人研修事業

2,306

21.0%

2,367

22.7%

2.7%

出版事業

2,306

21.0%

2,130

20.4%

-7.6%

人材事業

302

2.8%

315

3.0%

4.4%

セグメント間取引消去

-28

-0.3%

-26

-0.2%

連結売上高

10,997

100.0%

10,419

100.0%

-5.2%

*単位:百万円

 

セグメント別現金ベース営業利益

 

22/3期2Q

利益率

23/3期2Q

利益率

前期比

個人教育事業

235

3.9%

-22

法人研修事業

612

26.6%

618

26.1%

0.9%

出版事業

654

28.4%

587

27.6%

-10.1%

人材事業

73

24.4%

82

26.2%

11.9%

全社費用

-624

-667

連結営業利益

952

8.6%

599

5.7%

-37.1%

*単位:百万円。

 

【個人教育事業】
減収・赤字転落

増収 情報処理講座、税理士講座、中小企業診断士講座、建築士講座、弁理士講座、司法書士講座等

 

新型コロナウイルスに関しては概ね落ち着いた状況であったが、第1四半期に引き続き学生を主な受講生とする講座の申し込み状況が低調に推移したことで、全体としての現金ベース売上高は減少した。講座別では、高いDX需要を受けて情報処理講座が好調に推移したほか、前年度より好調な税理士講座において8月の本試験後の申し込みも引き続き好調に推移した。その他、中小企業診断士講座、建築士講座、弁理士講座、司法書士講座、電気関連講座等で前年を上回った。一方、学生が主な受講生である公認会計士講座は初学者を中心に奮わず、同じく学生が主な受講生である公務員講座も第1四半期に引き続き低調に推移した。その他、簿記検定講座や宅地建物取引士講座、不動産鑑定士講座などで前年を下回った。コスト面では、講師料、教材制作のための外注費、賃借料等とあわせた営業費用の合計は56億54百万円(前年同期比3.8%減)となった。
この結果、個人教育事業の現金ベース売上高は56億32百万円(同7.8%減)、現金ベースの営業利益は22百万円の営業損失(前年同期は2億35百万円の営業利益)となった。

 

【法人研修事業】
増収・増益

増収 大学内セミナー、委託訓練等

 

企業向けの研修は、企業のDX推進と相俟って同社への研修需要は高い状況が続いている。WEB会議システムを利用した研修需要及びコロナ禍が落ち着いたことで従来の対面型の研修需要ともにあり、研修の内容によって両形態を使い分けるケースも見受けられる。分野別では、情報・国際分野の需要が大きく、第1 四半期は好調であった金融・不動産分野は第2四半期に若干落ち込んだ。大学内セミナーは、学生が大学に戻ってきたことに加え新規受注もあり前年を上回った。地方の個人を主な顧客とする提携校事業は前年同期比13.8%減、自治体からの委託訓練は同16.7%増、地方専門学校に対するコンテンツ提供は第2四半期以降回復傾向にある。コスト面では、講師料、営業にかかる人件費等の営業費用は17億49百万円(同3.3%増)となった。
この結果、法人研修事業の現金ベース売上高は23億67百万円(同2.7%増)、現金ベースの営業利益は6億18百万円(同0.9%増)となった。

 

【出版事業】
減収・減益

増収 情報処理、賃貸不動産経営管理士、中小企業診断士等

 

同社グループの出版事業は、同社が展開する「TAC出版」及び子会社の(株)早稲田経営出版が展開する「Wセミナー」(「W出版」)の2つのブランドで進めている。出版事業は、いわゆる巣ごもり需要が減少したことの影響が大きく、前年を下回った。資格試験対策書籍では、TAC出版の情報処理、賃貸不動産経営管理士、中小企業診断士等が好調に推移したが、簿記検定、FP、宅地建物取引士、電験等は低調であった。そのほか、旅行ガイド及び一般書籍、W出版の行政書士、司法書士等の売上が好調であった。コスト面は、営業費用全体として15億42百万円(前年同期比6.6%減)となった。
この結果、出版事業の売上高は21億30百万円(同7.6%減)、営業利益は5億87百万円(同10.1%減)となった。

 

【人材事業】
増収・増益
子会社の(株)TACプロフェッションバンクが手掛ける会計系人材事業は、税理士法人や監査法人、一般企業などにおける会計系人材の需要の大きい状況が続いており、第1四半期に引き続き、広告売上及び人材紹介売上が順調に推移した。(株)医療事務スタッフ関西が手掛ける医療系人材事業は、2年に1度行われる診療報酬改定による業務量増加もあり前年の売上を上回った。
この結果、人材事業の売上高は3億15百万円(前年同期比4.4%増)、営業利益は82百万円(同11.9%増)となた。

 

(3)分野別動向

23年3月期は、前期より「収益認識に関する会計基準」等を適用しており、出版事業における返品の可能性のある取引については予想される返品相当額を売上高から直接控除している。当該返品相当額は過去の売上高に対する返品実績等に基づいた全体的な見積計算を行っており分野ごとの控除額は把握していない。そのため、下表中の「22/3期2Q」および「23/3期2Q」における売上高の合計額は、四半期連結損益計算書における売上高とは一致しない。

 

分野別発生ベース売上高

 

22/3期2Q

構成比

23/3期2Q

構成比

前期比

財務・会計分野

2,180

19.9%

1,971

18.6%

-9.6%

経営・税務分野

1,694

15.5%

1,767

16.7%

4.3%

金融・不動産分野

2,771

25.3%

2,614

24.7%

-5.6%

法律分野

649

5.9%

638

6.0%

-1.7%

公務員・労務分野

2,271

20.7%

2,118

20.0%

-6.8%

情報・国際分野

778

7.1%

845

8.0%

8.6%

医療・福祉分野

148

1.4%

148

1.4%

-0.3%

その他

460

4.2%

485

4.6%

5.4%

合計

10,955

100.0%

10,588

100.0%

-3.3%

*単位:百万円

 

【マーケット概要】
23年3月期第2四半期における受講者数は125,549名(前第2四半期連結累計期間比4.5%減)、そのうち個人受講者は74,422名(同4.9%減、同3,836名減)、法人受講者は51,127名(同3.8%減、同2,029名減)となった。

 

【分野別概況】
個人・法人を合わせた講座別では、情報処理講座が前第2四半期連結累計期間比29.9%増、公務員(国家総合職・外務専門職)講座が同26.9%増、マンション管理士講座が同6.9%増等となった一方、簿記検定講座が同20.3%減、宅地建物取引士講座が同13.4%減、FP講座が同18.2%減等となった。法人受講者は、通信型研修は在宅ワークが落ち着いたことで前年から減少、大学内セミナーは大学に学生が戻ってきており同3.6%増、提携校が同5.0%減、委託訓練は同13.7%増となった。

 

(4)受講者数の動向

 

22/3期2Q

構成比

23/3期2Q

構成比

前期比

個人受講者数

78,258

59.6%

74,422

59.3%

-4.9%

法人受講者数

53,156

40.4%

51,127

40.7%

-3.8%

合計

131,414

100.0%

125,549

100.0%

-4.5%

*単位:人

 

分野別受講者数

 

22/3期2Q

構成比

23/3期2Q

構成比

前期比

財務・会計分野

19,469

14.8%

16,475

13.1%

-15.4%

経営・税務分野

17,348

13.2%

16,730

13.3%

-3.6%

金融・不動産分野

38,856

29.6%

34,725

27.7%

-10.6%

法律分野

6,456

4.9%

6,240

5.0%

-3.3%

公務員・労務分野

31,308

23.8%

31,245

24.9%

-0.2%

情報・国際/医療・福祉/その他分野

17,977

13.7%

20,134

16.0%

12.0%

合計

131,414

100.0%

125,549

100.0%

-4.5%

*単位:人

 

(5)財政状態

◎主要BS項目

22年3月末

22年9月末

 

22年3月末

22年9月末

 現預金

5,716

6,856

 仕入債務

515

440

 売上債権

3,581

4,087

 返品廃棄損失引当金

302

264

 たな卸資産

796

702

 前受金

5,943

5,669

流動資産

11,679

12,300

 資産除去債務

776

715

 有形固定資産

5,113

5,061

 有利子負債

5,095

5,471

 無形固定資産

202

195

負債

15,209

14,748

 投資その他

4,389

3,926

純資産

6,174

6,736

固定資産

9,705

9,184

負債・純資産合計

21,384

21,484

*単位:百万円

 

現預金の増加等で流動資産は前期末比6億20百万円増加。差入保証金の減少が大きく固定資産は同5億20百万円減少。資産合計は同99百万億円増加し214億84百万円。
有利子負債の増加があったものの、前受金の減少等が大きく負債合計は同4億61百万円減少し147億48百万円。
利益剰余金の増加等で純資産は同5億61百万円増加の67億36百万円。
この結果、自己資本比率は前期末より2.5ポイント上昇し31.3%となった。

 

3.2023年3月期業績予想

(1)連結業績予想

 

22/3期 実績

構成比

23/3期 予想

構成比

前期比

現金ベース売上高

20,146

98.4%

20,550

100.5%

+2.0%

発生ベース売上高

20,471

100.0%

20,450

100.0%

-0.1%

売上総利益

7,814

38.2%

販管費

7,401

36.2%

営業利益

413

2.0%

650

3.2%

+57.3%

経常利益

442

2.2%

608

3.0%

+37.4%

当期純利益

444

2.2%

400

2.0%

-10.1%

*単位:百万円。予想は会社側予想。

 

業績予想に変更無し。
23年3月期は従来予想を据え置いた。現金ベース売上高は、前期比2.0%増の205億50百万円、発生ベース売上高は同0.1%減の204億50百万円、営業利益は同57.3%増の6億50百万円を予想。教室床面積の最適化による賃借料削減やWEBマーケティングを積極的に実施するなどにより大幅増益を見込んでいる。なお、配当は前期と同じ6.00円/株を予定。予想配当性向は27.8%。

4.今後の注目点

新型コロナウイルスの感染症の第8波の感染拡大の影響が気がかりではあるが、今期は3年ぶりに行動規制がないため、これまでのコロナ対策を行ってきた同社の施策等の効果が期待できる。資格書籍以外に学習参考書「自分のあたまで考えるドリル まず、これから。」シリーズの刊行や、新しく開講した人生100年時代の実用講座、爆発的に成長しているプロeスポーツチーム「忍ism Gaming」とのスポンサー契約締結など、新たなジャンルへの挑戦にも期待したい。

 

 

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態 監査等委員会設置会社
監査等委員でない取締役 12名、うち社外2名
監査等委員である取締役 3名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2022年6月28日
<基本的な考え方>
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、迅速な意思決定の重視という点にあり、当社の社内取締役は、現在10名となっております。一方で、社外取締役を5名配置し、パブリック・カンパニーとして求められる企業統治ないし法令遵守体制について適切に整備するとともに有効に機能するように運用しております。

 

わが国は、成熟した工業社会から急速に知識社会へシフトしつつあります。知識社会ではさまざまな分野ごとに知識専門家(プロフェッション)が要求され、活躍の場を広げています。プロフェッション(profession)とは英語のprofess=「神の前で宣言する」を語源とし、中世ヨーロッパ社会では神に誓いを立てて従事する職業として、神父・医師・会計士・教師等の知識専門家を指していました。当社は公認会計士を養成するビジネスを始めて以来、大学に代わって、現代に求められる多くのプロフェッションの養成を担当してまいりました。

 

当社グループは、「社会が必要とするプロフェッションを養成する」及び「個人の成長に深く関わる」ことを経営理念として、拠点とメディアを通して顧客(大学生・社会人・法人企業)の幅広い支持を受け、教育サービスおよび人材育成・供給市場での一強となることを目指してまいります。ステークホルダーとしての顧客の支持基盤を有してこそ、「株主価値の増大」という株式会社に求められる最も基本的な命題も達せられると考えております。

 

当社グループのコーポレート・ガバナンスにはこうしたプロフェッションとしての自己規律が組織風土として働いており、当社の取締役自身も「経営のプロフェッション」たらんと律しております。取締役の任期は会社法上1年(監査等委員である取締役は2年)と定められており、毎期、株主総会において「経営のプロフェッション」であったかどうか株主によって判定されます。また、当社は機関設計として監査等委員会設置会社を採用し、企業経営に関する監督及び監査機能・内部統制の充実、コンプライアンスの徹底を図り、透明性の高い企業経営を目指しております。

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>
当社は、コーポレートガバナンス・コードの以下の原則について実施しておりませんが、その理由は以下の通りです。

原則

実施しない理由

補充原則1-2(4) 当社の株主構成はその大半が国内の個人株主であり、機関投資家や海外の投資家の割合は限定的なものとなっております。そのため、現時点では議決権電子行使プラットフォームの利用等や招集通知の英訳は実施しておりません。しかしながら、今後、機関投資家や海外の投資家の割合が高まってきた際には、それらを進めていくことを検討してまいります。
補充原則2-4(1)

 

当社は中核人材の登用に関して、その属性にこだわらず、個人の能力に基づく評価・登用を基本としております。 それゆえ、属性ごとの数値目標は定めておりません。

また当社は、日本国内での事業活動がそのほとんどを占めることもあり、外国人管理職の登用実績はありません。しかし当社は中核人材の登用に関して、その属性にこだわらず、個人の能力に基づく評価・登用を基本としているため、今後の事業展開により適任者がいれば、登用を検討してまいります。

当社は新卒採用に加え、中途採用等も積極的に行っており、多様性のある人材育成と活気のある組織作りに取り組んでおります。

補充原則4-11(1)

 

当社は、当社グループの経営を効果的かつ効率的に行い、会社の持続的な成長と企業価値の最大化を図るため、取締役会は能力や知識・経験等のバックグラウンドが異なる多様なメンバーで構成することとしております。また取締役の人数の上限については、迅速な意思決定が行えるように定款で15名以内、うち監査等委員である取締役が4名以内と定めております。

なお、スキル・マトリックスの開示に関しましては今後の課題として検討してまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>
コーポレートガバナンス・コードで開示が求められる各原則に関する当社の方針は以下の通りです(「コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由」に記載された原則を除く)。

原則

開示内容

補充原則3-1(3)

 

当社はサステナビリティに関する取り組みとして、環境面においては社内の業務におけるペーパーレスの推進、クールビズやウォームビズの実施及びそれに伴う空調エネルギーの省力化によるCO2排出の削減などに取り組んでおります。また、社会的な面においては、ビジネスパーソンに必須の会計知識の習得を推進し、企業並びに日本経済全体の発展に寄与することを目的とした「簿記チャンピオン大会」等を実施しております。

当社の経営理念は「プロフェッションの養成を通して社会に貢献」することです。

当社は学生や社会人の国家資格等の資格取得支援という教育サービス業を行っており、そのための教材・カリキュラム開発等、教育コンテンツの開発は、知的財産への投資にほかなりません。またその教育コンテンツ開発のためにプロフェッションの養成が不可欠であることから、従業員に対して日商簿記3級の取得を義務付けているほか、各種資格の取得を推奨し、そのための講座受講料等のサポートを積極的に行っております。

原則5-1 株主を含む投資家の方々からの問い合わせ等に対応するため、専門の部署(IR室)を設置しております。問い合わせ事項に関しては、インサイダーに抵触する恐れが高いと判断される情報を除き、適切に対応することとしております。

 

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